研究課題/領域番号 |
21K19917
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分90:人間医工学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中村 大輔 九州大学, システム情報科学研究院, 准教授 (40444864)
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研究分担者 |
園田 康平 九州大学, 医学研究院, 教授 (10294943)
八幡 信代 九州大学, 医学研究院, 准教授 (90315812)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 眼炎症性疾患 / 自発蛍光 / 非侵襲診断 / 眼炎症疾患 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,眼科医でも原因特定が困難な眼炎症疾患の新たな診断情報を与える革新的な非侵襲眼内診断技術を開発する.そのために,眼内の炎症細胞や腫瘍細胞がもつ固有の微弱な自発蛍光をリアルタイムかつシングルセルレベルに識別可能なイメージングの技術基盤を築く.具体的にはフローサイトメトリーを利用した眼内から採取した組織細胞の蛍光データベース構築し,細胞識別のための最適波長を見出す.その上で眼内の奥行方向を連続的に観察可能な細隙灯顕微鏡に超高感度カメラと分光システムを組み合わせた新装置を構築する.
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研究成果の概要 |
眼炎症疾患の新たな診断情報を与える革新的な非侵襲眼内診断技術を開発するために,眼内の炎症細胞や腫瘍細胞がもつ固有の微弱な自発蛍光をリアルタイムかつシングルセルレベルに識別可能なイメージングの技術基盤を築くことを目指した.結果,正常細胞に比べて腫瘍細胞が特徴的な自発蛍光を示すことを明らかにし,特定条件の励起レーザー光を用いることで自発蛍光を非侵襲かつ高効率に取得できる手法を見出した.眼科検査において最も多用される眼科機器である細隙灯顕微鏡に超高感度分光イメージングと自発蛍光高効率検出技術を組み合わせた手法を提案するとともに,眼炎症性疾患の診断補助となる非侵襲眼科検査機器開発の可能性を見出した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来の細隙灯顕微鏡では眼内浮遊細胞観察が可能だが形態的特徴しか得られない.これに対し,本技術は特殊レーザー光を用いて細胞固有の微弱な自発蛍光を計測することで眼内の腫瘍細胞や炎症細胞の識別を可能とする.非侵襲かつ迅速診断が可能となり,患者に優しく安全な手法となる可能性がある.これにより専門医でも診断が困難で時間を要する眼内悪性リンパ腫の早期スクリーニングや眼炎症性疾患診断の補助となる識別機器の実用化が期待できる.さらに,硝子体生検に伴う医療従事者と患者の負荷低減,患者の合併症リスクといった問題点解決にも大きく貢献すると考えられる.
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