研究課題/領域番号 |
21K19931
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分90:人間医工学およびその関連分野
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
岩崎 泰彦 関西大学, 化学生命工学部, 教授 (90280990)
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研究分担者 |
遊佐 真一 兵庫県立大学, 工学研究科, 准教授 (00301432)
平賀 徹 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (70322170)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | マクロファージ / がん免疫治療 / ナノ粒子 / 細胞表面修飾 / 糖鎖 / リン脂質ポリマー / DDS / 細胞表面改質 / 帰巣性 / 薬物輸送 / 表面修飾 / がん治療 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,マクロファージを薬剤担体として利用し,腫瘍組織に対する高選択的な薬剤輸送システムを構築することを目的として企画された.研究期間では,①生きたマクロファージ表面への薬剤内包ナノ粒子の光固定,②マクロファージのホーミングを利用した腫瘍組織への薬剤送達,③環境に応答した薬剤徐放による腫瘍組織の縮退について検討する.腫瘍組織に薬剤を送達するための担体の開発はこれまで長い間検討され,脂溶性薬剤の可溶化や薬剤の血中滞留性の改善は実践されているものの,副作用のないがん化学療法は確立されていない.そこで,免疫細胞に見られるがん細胞指向性に着目した新たながん治療システムの創出を目指す.
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研究成果の概要 |
本研究は,マクロファージを薬物担体として利用し,腫瘍組織に対する高選択的な薬物輸送システムを構築することを目的として実施された.研究期間ではマクロファージ本来の機能を低下させない表面修飾法の開拓,マクロファージに搭載するナノ粒子の設計および調製,マクロファージ表面へのナノ粒子の固定化,マクロファージの固形がんに対する親和性を高める方法について検討した.これらの検討により,ラジカルを利用しない新たなマクロファージの表面修飾法や固形がんに対し高い親和性を示すマクロファージの獲得に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では元来免疫細胞に見られるがん細胞指向性に着目し,新たな薬物輸送システムの構築を目指した.近年,遺伝子操作により免疫細胞の表面にがん抗原受容体を発現させ,がん組織を攻撃する治療法が注目されているが,受容体の種類が限定的であるため,治療効果のばらつきが課題となっている.本研究で確立した手法は,化学的に任意の受容体をマクロファージに固定化することを可能にするため,従来法に比べ多様ながん種に適応できると期待される.「がん」という難題に挑戦する本研究課題の社会的意義が大きいことはもちろんのこと,細胞を利用した薬物輸送は.高分子化学,糖代謝工学,免疫学を融合した学術的にもユニークな戦略といえる.
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