研究課題/領域番号 |
21K19937
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分90:人間医工学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
王 秀鵬 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 上級主任研究員 (70598789)
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研究分担者 |
大矢根 綾子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 研究グループ長 (50356672)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 抗がん剤 / in situ合成 / その場合成 / ナノ粒子 / 銅 / メソポーラスシリカ / 薬物送達 |
研究開始時の研究の概要 |
従来の抗がん剤治療と異なる腫瘍微小環境応答型抗がん剤のin situ精密合成に挑戦する。近年非毒性の断酒薬ジスルフィラムの代謝産物が銅イオンをキレート化するという「in situ非毒性→毒性遷移」が解明された。本研究では、腫瘍特異的な微小環境応答により局所的に銅イオンを供給できる薬物前駆体(ジスルフィドカプセル化酸化銅ナノ粒子など)を考案した。このため、投与されたジスルフィラムの代謝産物が銅イオンをキレート化し、腫瘍微小環境のみで抗がん剤のin situ精密合成を実現できると着想した。本研究により、治療効果を大幅に改善すると同時に、副作用の問題を根本的に克服できると期待される。
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研究実績の概要 |
腫瘍微小環境は通常、弱酸性、低酸素、強力な抗酸化システムを特徴とし、化学療法の有効性を大きく制限されている。令和5年度は開発した薬剤前駆体候補材料(銅担持メソポーラスシリカナノ粒子)が腫瘍微小環境にどのような影響を与えるかを調べた。その結果、開発した薬剤前駆体候補材料(銅担持メソポーラスシリカナノ粒子)は、細胞外および細胞内酸素生成・活性酸素種生成の増加、および細胞内グルタチオン枯渇など腫瘍微小環境が制御できる事を示した。紫外可視吸収分光法により、殺腫瘍薬CuETの生成が確認された。肺がんLLCモデルで、断酒薬ジスルフィラム-銅担持メソポーラスシリカ粒子の腫瘍内投与は、一定程度の抗腫瘍効果がある事を確認した。断酒薬ジスルフィラム-銅担持メソポーラスシリカ粒子の腫瘍内投与と免疫チェックポイント阻害剤の腹腔内投与の併用は、単独より高い抗腫瘍効果、および腫瘍サイズの制御による延命効果が確認され、断酒薬ジスルフィラム-銅担持メソポーラスシリカ粒子と免疫チェックポイント阻害剤の相乗効果がある事を示した。
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