研究課題/領域番号 |
21K19945
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0101:思想、芸術およびその関連分野
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
浅井 佑太 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 助教 (80908369)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 音楽学 / 十二音技法 / 新ウィーン楽派 / 音楽文献学 / 作曲プロセス |
研究開始時の研究の概要 |
20世紀前半を代表する作曲家であるアーノルト・シェーンベルク、および弟子のアントン・ウェーベルンとアルバン・ベルクの創作プロセスを明らかにすることを試みる。どのような独自の創作プロセスの存在があって、彼らの独自の作曲が可能となったのかを考察することがこの研究の主な目的である。それぞれの音楽の語法の特殊性は、それぞれの作曲プロセス、そしてそこに浮かび上がる作曲的思考法に依存していると考えられる。この推測をスケッチ・自筆譜資料をもとにして、実証的に解明することを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、新ウィーン楽派の作曲家、特にアントン・ウェーベルンの作曲プロセスに焦点を当て、彼の独特な作曲的思考法を解明した。その際、ウェーベルンが用いた十二音技法の使用方法とその創作プロセスの詳細を、彼のスケッチや草稿を通じて詳細に分析することによって、この問題へのアプローチを行なった。特に彼の《弦楽四重奏曲》作品28における創作過程を重点的に検討し、彼の音楽的着想が具体的な楽想よりも抽象的なコンセプトに基づいていることを明らかにした。この研究は、彼の音楽的独自性の根底にある創造性を理解するための新たな視点を提供することができたと考えている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
この研究の学術的意義は、新ウィーン楽派の中心的な作曲家であるアントン・ウェーベルンの作曲プロセスと作曲的思考法のを実証的に解明できたことにあり、これは世界的にも類例が少ない実績である。ウェーベルンの十二音技法の具体的な適用方法や創作プロセスが、彼の音楽的着想が具体的な楽想よりも抽象的なコンセプトに基づいていることを明らかにした。この発見は、従来の楽曲分析では見過ごされがちだったウェーベルンの創作方法の独自性を浮き彫りにし、20世紀音楽の理解に新たな視点を提供している。
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