研究課題/領域番号 |
21K19954
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0101:思想、芸術およびその関連分野
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研究機関 | 流通経済大学 |
研究代表者 |
梶田 祥嗣 流通経済大学, 学部以外の部局, 教育学習支援センター所員 (20907026)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 王安石 / 王学 / 王学系孟子注 / 王学系老荘注 / 宋代思想史 / 黄裳 / 徽宗 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、北宋後期の政治家・思想家である王安石およびその門下や周辺にあった人物(以下、彼らを「王学」と呼ぶ)によって作成された『孟子』注の逸文収集・整理とその基礎文献をもとに、王学の孟子思想を解明する。王学系『孟子』注は、後に主導権を握った道学も孟子を顕彰したことから、比較的早くに淘汰され、そのほとんどが散逸している。ただ、王学系老荘注や三礼注に『孟子』関連の言説が多く確認できる。そのような『孟子』以外の書において、王学による孟子関連の言説を網羅的に調査・集輯し、王学の孟子観を再構築する。あわせて、従来の道学中心の孟子研究に対して、王学の孟子解釈を突き合わせることで、宋代思想史の見直しを図る。
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研究実績の概要 |
本研究は、北宋後期の政治家・思想家である王安石およびその門下や周辺にあった人物(以下、彼らを「王学」と呼ぶ)によって作成された『孟子』注の逸文収集・整理と、それらの資料をもとに王学の孟子思想の解明を目指すものである。 王安石は若年期から『孟子』に心酔していたことで知られ、新法改革の精神を鼓吹するための理論的支柱として孟子の思想を援用した。また、科挙改革の一環として『論語』『孟子』の兼修化を図り、科挙のテキストとして正式に採用することで、それまで諸子のひとつとされていた『孟子』の経書化を実現させ、さらに孔子廟に孟子を配享するなど、政治・学術の両方面から孟子の顕彰に多大な貢献を果たした。安石没後も科場では王学系孟子注が標準となり、南宋初期においても王学系の注解は相当な支持を得ていたと考えられる。ただ王学系『孟子』注は、後に学問分野において主導権を握った道学も同じく孟子を顕彰したことから、比較的早くに淘汰され、現在ではそのほとんどが散逸している。もっとも、現存する王学系老荘注や三礼注に『孟子』の引用や関連する言説が少なからず確認できる。 そこで本研究では、そのような『孟子』以外の書における王学の残存資料から孟子関連の言説を網羅的に調査・集輯し、それを基に王学の孟子観の再構築を試みる。この基礎資料の整備から、これまで明らかにされてこなかった王学による孟子顕彰の思想的理由や、徽宗朝における王学門下・関係者の孟子思想の解明が期待される。あわせて、従来の道学中心の孟子研究に対して、王学の孟子解釈を突き合わせることで、宋代思想史の見直しを迫る。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
王学系老荘注や三礼注における『孟子』の引用は、資料収集過程で当初予定していた量よりも相当に多いことが判明し、解析作業が難航している。同時に、それらの収集資料の中から、王学の孟子思想を抽出することも容易でなく、研究に遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
進捗が芳しくないため、研究期間の延長を申請済みである。期間延長中に上記「進捗状況」の解析作業を完了させ、当該研究の成果を論文にまとめる予定である。
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