研究課題/領域番号 |
21K19957
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0101:思想、芸術およびその関連分野
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研究機関 | 明星大学 |
研究代表者 |
鋳物 美佳 明星大学, 教育学部, 准教授 (50912052)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 身体知 / 伝達 / 稽古 / 舞 / 能楽 / 師弟 / 能 / ベンヤミン / 井筒俊彦 |
研究開始時の研究の概要 |
コロナ禍以降、さまざまなオンライン稽古の可能性が模索されているが、そこには伝えられるものと伝えられないものとがある。師に対面で接することでのみ伝えられるものは何か。 本研究では、身体知をそのようなオンライン稽古では伝えられないものとして捉え、それは具体的に何であり、また対面ではどのように伝えられるのかを、能楽の稽古分析を通して明らかにする。また分析の結果を哲学の議論に接続し、身体知の「何」と「いかに」を哲学の言語で記述することを目指す。
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研究成果の概要 |
能楽仕舞のオンライン稽古がなぜ普及しにくいのかという問いを通して、稽古における身体知の伝達のあり方を考察することが本研究の目的であった。稽古の録画分析、ベンヤミンや井筒による哲学研究との接続を経て、研究成果として、「こう」としか指し示せないものの感性的了解が生じる様子を哲学の言語で記述することができた。 成果は、論文3本(うち1本は刊行予定)、学会発表4回(国際学会2回、国内学会1回、研究会1回)の形で公にした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、身体知の伝達にとって何がコアであるのかを、実際の伝達の現場に取材することで明らかにし、それを哲学の言語で分析することで、人間の感性的了解のあり方、身体知を通した存在変様を描くことに成功した。 その結果、理論に偏りがちな哲学研究においては、単なる身体一般ではなく、具体的身体(誰の身体であるか)を論じることを可能にした。また変化の過程を問うことで、個体的に考えることのできない生成変様を論じる視座を提供することができた。さらにより大きな文脈においては、COVID19が強要した大きな社会転換に対して、コミュニケーションとは何であるのかを哲学の議論として論じたことに社会的意義がある。
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