研究課題/領域番号 |
21K19958
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0101:思想、芸術およびその関連分野
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
黒木 秀房 立教大学, 外国語教育研究センター, 教育講師 (00907511)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | フランス / 現代思想 / ドゥルーズ / フーコー / バルト / ナンシー / 共同体 / 身体 / フランス哲学 / ブランショ / 文学 / 20世紀 / フランス現代思想 |
研究開始時の研究の概要 |
グローバル化、多様化がすすむ現代社会において、共通項をもたない者たちが共に生きることはいかにして可能か、という問いについて考えることは喫緊の課題である。この共同性なき共同体論を展開する哲学者は、世界を見渡しても枚挙に暇が無い。その思想的源泉として、しばしばブランショやナンシーが考察の対象になってきた。しかし、ポスト構造主義の哲学者、とりわけドゥルーズの寄与について、十分に解明されてきたとは言いがたい。そこで、ドゥルーズを軸に同世代以降の哲学者たちを共同体論の観点から再検討し、最終的にはこれらの思想が世界的に受容されるようになった歴史的意義を検討したい。
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研究成果の概要 |
本研究は、20世紀フランスを代表する哲学者ジル・ドゥルーズの哲学とそれ以降のフランス現代思想の相関を、共同体論の観点から再検討することを目的とするものである。身体概念を刷新しながら共生について思考を深めたフーコーやバルトらを代表する同時代の思想的潮流のうちにドゥルーズを位置づけなおし、とりわけ70年代のガタリとの共著『アンチ・オイディプス』を読解しながら、ドゥルーズが近代的家族とは異なる「小集団」の形成を探っていたことが明らかにされ、70年代のドゥルーズの議論が80年代以降の共同体論の隆盛にも大きく寄与している可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ドゥルーズ、フーコー、バルトら70年代のポスト構造主義と、ナンシーをはじめとする80年代以降のポスト・ポスト構造主義との関係について近年関心が高まるなか、共同体論という観点から両者の間に接続可能な点を探る本研究は、これまでのフランス現代思想研究の刷新に寄与するものである。さらにその中で、ドゥルーズが提示しようとしていた主体性と共同性をめぐる議論が、現代のジェンダー論や家族論にもつながるアクチュアルな視座を拓いていたことが明らかにされた。
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