研究課題/領域番号 |
21K19964
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0101:思想、芸術およびその関連分野
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
藤本 庸裕 早稲田大学, 文学学術院, 助教 (20905765)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | チベット仏教 / 伝記 / チャク・ロツァワ / チュージェペル / ダルマスヴァーミン / チャク・ローツァワ / チベット / 仏教 / rnam thar / 写本 |
研究開始時の研究の概要 |
13世紀にインド・ネパールの仏教聖地を巡ったチベット人学僧チャク・ロツァワ・チュージェペル(Chag lo tsa ba Chos rje dpal, 1197-1264)の伝記は、当時のチベットやネパール、インドにおける社会情勢や地理、習俗、 信仰を描写した第一級の資料として知られている。本研究では、従来用いられていたラーフラ・サーンクリティヤーヤナ将来の写本に加えて、近年利用可能になったBDRCの写本も利用し、より完成度の高い批判校訂テキストと英語と日本語による訳注を作成することを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究では、13世紀にインド・ネパールの各地を巡ったチベット人学僧チャク・ロツァワ・チュージェペル(Chag lo tsa ba Chos rje dpal, 1197-1264)の伝記の写本を解読し、第1章から第4章までの校訂テキストと英訳を作成した。これにより、13世紀のインド仏教を取り巻くインド・ネパールの社会情勢や地理、習俗、信仰の一端を、チベット人の記述を通して明らかにし、歴史資料に乏しいインド仏教に関して幅広い分野で利用可能な、新たな基礎資料を提供した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、これまで知られていたゲッティンゲン大学所蔵の写本に加え、近年利用可能になったBDRC(Buddhist Digital Resource Center)の手書き写本を新たに用いることで、より正確にテキストの内容を理解することが可能となった。また、とりわけ今回解読した第2章には、チュージェペル自身がネパールで現地の学者に学んでいた様子を記す記述が含まれており、チベット人翻訳官(ロツァワ)とインド人学者との間の思想的、文化的な交流の問題を解明する上でも、本研究の持つ意義は極めて大きい。
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