研究課題/領域番号 |
21K19966
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0101:思想、芸術およびその関連分野
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研究機関 | 南山大学 |
研究代表者 |
畑野 小百合 南山大学, 外国語学部, 講師 (80909052)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 音楽興行師 / ウィーン / 音楽マネージメント / 音楽史 / オーケストラ / コンサート / 音楽文化 / マネージメント / オーストリア / 演奏会 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、音楽興行師の活動に着目してオーストリア=ハンガリー帝国期のウィーンの音楽生活を検証し、音楽文化史の観点から、彼らの活動の意義を評価する試みである。調査対象の中心となるのは、楽譜商として獲得したコネクションを基盤にウィーンで活発なコンサート・マネージメントを展開したアルベルト・グートマンとその同業者たちである。 音楽興行というパースペクティヴから都市の音楽文化に切り込んでいくことで、19世紀末から20世紀初頭のウィーンの音楽生活や当時の音楽家のキャリア、当時の西欧の音楽都市の連携の実態について、新しい知見をもたらすことができるだろう。
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研究実績の概要 |
2023年6月に単著論文「アルベルト・グートマンの音楽都市ウィーン改革構想ーウィーン国際音楽・演劇博覧会(1892年)の『ポピュラー・コンサート』と博覧会オーケストラの創設ー」を刊行し、さらに2024年3月には単著論文「1890年代のベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のウィーン公演 ーアルベルト・グートマンの『第2のオーケストラ』構想との関連においてー」を発表した。これらの論文は、いずれも1890年代のグートマンの音楽興行師としての活動に注目し、管弦楽の普及という彼の一環した目的を明らかにした上で、それぞれの催しの意義と影響を精査したものである。2023年8月にはバイエルン州立図書館(ミュンヘン)とオーストリア国立図書館(ウィーン)で資料調査を行った。これにより、グートマンがどのような手順で各種の催しを計画し、どのような利害関係の中で実施内容を調整していたのかを明らかにすることができた。1900年前後のドイツ語圏の音楽興行師に関する研究は、2024年4月に刊行された共著論文"Neue Dokumente. Tchaikowski und die Konzertagentur Hermann Wolff. Sozialhistorische und biographische Perspektiven. Teil 1"という成果ももたらした。また、2024年5月に刊行予定の3か国語による単著"Die Konzertdirektion von Hermann und Louise Wolff. Ein Familienunternehmen in Berliner Musikleben"(ベルリン芸術大学出版)も準備することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の目標としていた資料を集め、その調査結果を論文にまとめて発表できているため。
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今後の研究の推進方策 |
調査の過程で、リヒャルト・シュトラウスおよびハンス・プフィッツナー関連の資料では、複数の音楽興行師との交渉の記録がまとまった形で残されていることがわかった。そのため、リヒャルト・シュトラウス研究所(ガルミッシュ=パルテンキルヒェン)とベルリン州立図書館(ベルリン)にデジタル・コピーを注文し、それを受け取ることができた。これまでは、複数の音楽興行師間の協働に注目してきたが、これからは特定のアーティストが複数の興行師と同時的にどのような関係を築いていたのかを明らかにする。
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