研究課題/領域番号 |
21K19975
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0102:文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
鄭 門鎬 北海道大学, 文学研究院, 専門研究員 (90912486)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 白氏文集 / 日本漢字音 / 漢音 / 訓点資料 / 漢籍 / 位相 / 漢籍訓読資料 / 白居易 / 漢籍訓点資料 |
研究開始時の研究の概要 |
白居易撰『白氏文集』の古鈔本諸本を収集し、各本に施されている漢字音注記を調査する。学習を行った人物が所属する集団によって、各本に現れる差を明示化する。そのためには、各本の言語現象を一定の基準から数値化することにより、相互比較を容易にする必要がある。なお、各本の注記を、韻書に則り分韻し、漢音の基礎データを公開することにより、日本漢字音研究に資することを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は日本で人気を博した漢籍である白居易撰『白氏文集』諸本の中にある漢字音注記を調査し、漢字音注記から推察可能な様々な言語的な特徴を相互比較することにより、博士家・仏家の間に見られる差(位相差)を明らかにすることを目的とする。その結果として、『白氏文集』内の漢字音注記には学問集団による差はもちろん、個人の差があり、注釈書を伴う他の漢籍訓読資料に比して、規範性が弱いことを検証した。ただし、公表した結果は8種の資料の分析の上での結果である。他の資料については現在論考を作成中であり、本年度中に公開する予定である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は日本語で用いられる字音読みの層位に関する史的研究である。日本漢字音は母胎音の言語的な特徴を反映して摂取され、日本語の音韻変化を受けて、現代の漢語にまで引き継がれているものである。そのうち、本研究の対象となる漢音が現代日本語の漢語で占める比率は約6割であり、その伝来と定着の過程を辿るためには、漢音を主として用いる資料(漢音資料)を用いて分析する必要がある。本研究は、中国音韻学をはじめ、日本語の音韻史に貢献するとともに、訓点資料における音読みと訓読みにおける関係性にも触れることにより訓点研究にも一助となるものである。
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