研究課題/領域番号 |
21K19977
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0102:文学、言語学およびその関連分野
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
森田 俊吾 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教 (70909910)
|
研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | フランス文学 / リズム / 話し言葉 / オーラリティ / 文学理論・批評 / 自由詩 / ギュヴィック / ジャン・フォラン / フランス詩 / ロシュフォール派 / 口語性 / 韻律分析 / アンリ・メショニック / 現代詩 / 翻訳 |
研究開始時の研究の概要 |
20世紀フランス詩の歴史は、象徴主義の「音楽優位の詩」からシュルレアリスムの「視覚優位の詩」への移行であると言われてきた。一方、シュルレアリスム以後の詩については、多様な書き手が登場したと言われるのみで統一的な説明がされていない。本研究は、1940-60年代までのフランス詩人たちを主な研究対象とし、申請者がこれまで研究・改良を行ってきたメショニックのリズム分析手法を用いて、彼らの詩作品を分析することによって、その時代の詩における話し言葉やリズムの重要性を明らかにする。このように「口語性の台頭」という見取り図を提示することで、フランス現代詩を文学史の中に位置づけ、評価することができる。
|
研究成果の概要 |
本研究は、シュルレアリスムと同時代・それ以降のフランス詩人に焦点を当て、代表的な詩作品を分析し、フランス詩史における「口語性」の統一的視座を獲得することを目指した。文献収集では海外の文献調査に力を注ぎ、入手困難な文献も収集した。2021年度は口語性を英米圏の影響との関連から考察し、2022年度は具体的な詩人を対象に分析・考察を行った。ギュヴィックの研究では、口語的自由詩から定型詩への回帰の過程について分析し、自らの「声」を取り戻す葛藤を指摘した。ジャン・フォランについては、「語り」という観点からフォランの現代風叙事詩作品の独自性を指摘した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、現代フランス詩人の詩作品における「口語性」の統一的視座を追求し、文学研究の進歩に寄与している。現代詩は、近代までの流れを受けた知的な教養を前提とする詩が多い一方、口語的なリズムや、音といった純粋な声の楽しみを追求した詩も少なくない。こうした詩の存在を普及することは、社会が持つ「詩」(特にフランス)に対する印象を大きく変えることができる。 また、シュルレアリスムとは異なる現代詩人を扱うことで、フランス文学の多様性や芸術的な発展に洞察を与えた。こうした研究成果は、文化交流の促進や文学教育の充実に貢献し、詩作品の評価や評論の豊かさをもたらすだろう。
|