研究課題/領域番号 |
21K19978
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0102:文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山口 早苗 東京大学, 大学院総合文化研究科, 学術研究員 (30913066)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 日中戦争 / 上海 / 文学 / 対日協力 / 新聞 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、日本の占領地政権であった汪精衛政権下で刊行された新聞を材料に、汪政権に近い位置にいた文化人の文学活動を明らかにするものである。日中戦争時期に上海で刊行された主要新聞『新中国報』(1940~1945年)などのマイクロフィルムを購入し、文藝欄の全記事目録を作成した上で、文藝欄の傾向・性格、主要な寄稿者について検討する。本研究に関連する資料については、日本国内のほか、国外(北京・上海・台北)での調査を予定している。
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研究実績の概要 |
初年度は、購入予定であったマイクロフィルムの納期が遅れたため、すでに入手済みであった新聞『新申報』の分析に着手した。『新申報』は日本軍部と密接な関係にあったとされ、同紙で活動した文化人はこれまで「対日協力者」として否定的な評価を受け、彼らの足跡は明らかにされてこなかった。本研究では同紙の文芸欄の内容から彼らの言論活動を分析した。 研究実施期間中には、同紙の副刊と呼ばれる文藝欄の変遷をまとめたのに加え、文芸欄上で活躍した文化人をリストアップした。これにより今後具体的に同紙の内容を読み解くための下地が完成した。今後は文芸欄で行われた議論や掲載された作品の内容や性格を分析し、より詳細な内容分析に着手したい。これに加え、中国国内の档案資料などを用い、文芸欄上で活躍した人物の詳細な経歴を調査する予定である。 上海図書館や北京国家図書館など、国外での資料調査を実施する予定であったが、現状では移動が難しく、実施には至らなかった。これについては次年度以降の課題としたい。その代わり、国内での資料収集に専念することにし、東洋文庫及び東京大学が所蔵する関連資料の調査を行った。あわせて国立公文書館アジア歴史資料センターのデジタルアーカイブにて、当時の上海における中国文化人の言論活動に関する日本側の資料を調査した。 研究実施期間中に学術論文として成果の公表はできなかったものの、この期間における成果については今後、内容を整理し発表する予定である。
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