研究課題/領域番号 |
21K19990
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0102:文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 東京国際大学 |
研究代表者 |
大戸 雄太郎 東京国際大学, JLI, 講師 (70908847)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 実践研究 / 質的研究 / 音声教育 / 学習支援 / 発音学習 / オンライン授業 / eラーニング / コミュニケーション / Zoom授業 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、日本語学習者が発音の自律学習を行うための発音指導を提供し、日本語学習者の長期的な発音習得のプロセスを解明することを目的とする実践研究である。 本研究では、指導の直後に学習者の発音を一時的に変化させることのみではなく、学習者が発音の自律学習を行えるような足場かけとなる発音指導を目指す。発音の自律学習を行えるようになった学習者に着目することで、新たな発音指導法を提案することが可能になり、音声教育研究の進展が見込まれる。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、日本語学習者が発音の自律学習を行うための発音指導を提供し、日本語学習者の長期的な発音習得のプロセスを解明することである。 2022年度は、前年度に再考した指導法を踏まえ、音声学・教育学関連図書から再度示唆を得た。その上で、前年度から引き続き、担当授業の時間を使って発音指導を継続的に行い、学習者に発音に対する意識化を促した。 次に、前年度の調査協力者を対象に追跡調査を実施し、夏に6名、冬にうち3名を対象に再度発音生成調査、アンケート調査、インタビュー調査を行った。また、今年度指導を行った学習者の中から新たに調査協力者を募り、夏に8名、冬にうち6名を対象に同様の調査を行った。追跡調査で得たデータについて、前年度の分析によって得たカテゴリーを観点とした質的分析によって、自律学習を継続している学習者が行っている発音学習の目標や内容、方法が明らかになった。引き続き、調査協力者の追跡調査を続け、精緻な分析を行うことによって、自律学習に基づく発音習得のプロセスが明らかになると考えられる。 なお、研究成果については、学習者の発音学習目標を「CAJLE 2022 年次大会」で、学習者の発音学習内容と方法を「第25回ヨーロッパ日本語教育シンポジウム」で、特に発音が上手な学習者の発音学習方法と経験を「第27回留学生教育学会年次大会」で発表した。また、本研究開始以前に得たデータに基づくフランスの学習者の発音学習に対する意味づけを「2022年度日本語教育学会春季大会」で発表した。加えて、本研究で行った発音指導の基盤となった実践研究の成果が「ヨーロッパ日本語教育 25号」に掲載された。さらに、追跡調査のデータに基づく学習者の発音学習方法の変化を「第26回ヨーロッパ日本語教育シンポジウム」で発表予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度に予定していた調査は全て終了しており、学習者の自律的な発音学習の実態が明らかになった。一方で、長期的な発音習得プロセスを明らかにすべく、データのさらなる拡充を行う必要があり、追加調査を実施する予定である。また、学会・シンポジウムのオンライン開催から対面開催への移行は、予測していたより少し遅れてはいるものの順調に進んでおり、学会での成果発表も順調に行っている。
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今後の研究の推進方策 |
追加調査の実施と再分析を精緻に進め、今後も学習者の発音学習の実態を明らかにするとともに、自律学習を行っている学習者の発音習得プロセスを長期的視点から明らかにしていく。特に、当初海外で発音学習を開始した調査協力者も、現段階では日本国内に居住しているため、日本語の発音に触れる機会が圧倒的に増えたはずであり、その環境の変化がどのように発音学習に影響を与えたのかを探っていく。 また、研究成果発表を、学会発表だけでなく、論文執筆によって進めていく予定である。
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