研究課題/領域番号 |
21K19991
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0102:文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 明海大学 |
研究代表者 |
林 智昭 明海大学, 外国語学部, 講師 (70906693)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 文法化 / 漂白化 / 脱範疇化 / 動詞派生前置詞 / 汎時性 / 時間性 / 動詞性 / 前置詞性 / 動作主性 / 談話機能 / 認知文法 / 言語変化 / 通時性 / 共時性 / パンクロニック / 英語動詞派生前置詞 |
研究開始時の研究の概要 |
文法的な言語変化(文法化)は漸進的なプロセスであり、急速に進む語彙・音韻の変化と比べて知覚・分析が困難である (Leech et al. 2009)。現代英語に観察されるduring, past, exceptなどの「動詞派生前置詞」は、通時的には動詞に由来する文法化の一例である。本研究では、言語変化の誘因となる英語史上の背景を念頭に、現代英語における動詞派生前置詞の分布を整理し、どのような傾向があるかを記述する。以上を通し、共時性・通時性の接点から、過去の歴史を経て現代へと至る言語変化のダイナミズムを解明していく。
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研究成果の概要 |
本研究では、文法化の連続的なプロセスを捉えるため、言語変化の誘因となる英語史上の背景を念頭に、現代英語における動詞派生前置詞の使用実態を観察・整理し、どのような傾向があるかを記述することを目的とした。先行研究に基づき、前置詞を識別する種々のテストによる検証を行うとともに、大規模コーパスから抽出した用例の振る舞いを記述し、文法化の観点からincluding, seeingを分析した。また、通時性を念頭にconsidering, touchingへの文法化を質的に記述し、認知文法 (Langacker 2008) の「時間性」の観点から検討することによって言語変化を動機づける認知的基盤を考察した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
動詞派生前置詞への文法化の連続的なプロセスは「動詞か、前置詞か」といった分類を厳密に行うことが難しく、同一コーパス内における品詞分類(タグづけ)も難しいという問題点がある。また、前置詞化したconcerningの意味が、もとの動詞concernの意味と異なったものとなっているように、通時的にみると起源と意味変化の過程が同一とは限らない(cf. 児馬 2001)。本研究は、このような言語変化の連続性を捉える上での視座を提供し、通時的な言語変化を共時性との接点から理論的に予測して分析するための方法論を提供するという点で意義を持つものである。
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