研究課題/領域番号 |
21K19993
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0102:文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 小樽商科大学 (2022-2023) 国際基督教大学 (2021) |
研究代表者 |
於保 淳 小樽商科大学, 言語センター, 准教授 (00909195)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 数詞 / 非制限修飾 / 慣習的含み / 強意表現 / フォーカス / 非制限制 / 意味論 / 修飾 / 非制限性 / 統語論 / 多次元性 / 語用論 / 形式意味論 / 日本語 / 英語 |
研究開始時の研究の概要 |
名詞を修飾する数詞は、形容詞と同類の修飾語であり、名詞を制限的に修飾することが明らかになっている。その一方で、英語の数詞は名詞を非制限的に修飾する場合があることが観察された。日本語の数詞も2つのケースで非制限修飾することが観察されている。本研究では、数詞の非制限用法を統語と意味の側面から分析することで、日本語と英語間、日本語の2つのケース間において統一的な分析が可能かどうかを検証する。数詞の非制限用法の研究はまだほとんどないことから、 本研究で得られる知見は数詞の非制限用法だけでなく、数詞の統語・意味論研究全般への貢献が期待される。
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研究成果の概要 |
本研究では非制限修飾する数詞の統一的な分析は可能かどうかを検証した。まず、日本語の関係節を伴う数詞は慣習的含みであることが明らかになった。それに対し、固有名詞・代名詞を修飾する数詞は強意表現として機能しており、フォーカスによって意味貢献するという提案によって、その特性を明らかにした。本研究から、日本語において、非制限修飾する数詞は少なくとも2種類あると言え、これらは統一的な分析はできない可能性が高いと考えられる。また、英語にも非制限修飾する数詞が2種類ある可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
数詞の研究は理論言語学、特に意味論において主要な研究テーマとなっている。これまでの数詞の研究の中心は、普通名詞を修飾し、制限的修飾をするケースであった。現段階では、数詞の非制限用法に関する体系的な研究はほとんどない。本研究で明らかになった、非制限修飾する数詞に2種類あるという可能性は、数詞の非制限用法の研究にとっての新たな知見を提供する。また、この知見は、実証的・理論的な数詞全般の研究に加え、通言語的な統語・意味研究にも意義のあるものである。
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