研究課題/領域番号 |
21K19999
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0102:文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
峰見 一輝 立命館大学, スポーツ健康科学部, 講師 (90906968)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 心理言語学 / 文理解 / 日本語 / wh句認可 / 文法的錯覚 / 文法性の錯覚 / 錯覚的認可 / 時間制限付き容認性判断 / 言語学 / 自己ペース読文 / 自己ペース読文実験 / 時間制限付き容認性判断実験 / wh文 / wh疑問文 / 言語理解 / 文解析器 / wh疑問 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,日本語のwh疑問文における「文法性の錯覚」という現象に焦点を当てる。文法性の錯覚とは,文法的には許されない文を,あたかも文法的に許される文であるかのように処理してしまう現象である。本研究は,日本語のwh疑問文における文法性の錯覚を研究対象とすることで,文法性の錯覚を引き起こす言語・構造普遍的な文処理メカニズムを解明することを通し,文解析器と文法の関係性を明らかにすることを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究課題では,文解析器と文法との関係性を明らかにするために,日本語のwh文において「文法性の錯覚」が生じるメカニズムを検討した。まず時間制限付き容認性判断実験によって,構造的にwh句認可に無関係な位置に潜在的認可子「か」を含む場合に文法性の錯覚が生じることが明らかとなった。また,本来はwh句の認可子ではない「かどうか」を含む文でも文法性の錯覚が生じることが明らかとなった。加えて,実験文の呈示方法を操作したり容認性判断の回答時間に制限を設けたりして時間的制限を課すことで文法性の錯覚が生じることも明らかとなった。これらの結果は従来の仮説では予測困難であり,新たな仮説が求められる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
文法性の錯覚がどのようなメカニズムによって生じるのかについては議論が続いているが,本研究課題の成果は,その生起条件として要素間での部分的形態情報の一致や時間的制約,非文法性等が重要な役割を担っている可能性を示唆している。この成果は,ヒトの文解析器と文法との関係性の解明という文理解研究における主要な研究命題に対して理論的貢献を果たすものであると考えられる。
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