研究課題/領域番号 |
21K20005
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0102:文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道博物館 |
研究代表者 |
吉川 佳見 北海道博物館, 研究部, 研究職員 (30908075)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | アイヌ語 / アスペクト / 存在動詞 / 静内方言 / 沙流方言 / 千歳方言 / 言語学 |
研究開始時の研究の概要 |
アイヌ語の各方言において、「接続助詞+存在動詞an」構文が日本語のテイル(またはテアル)形に相当するアスペクト的意味を表わすことが指摘されてきた。しかしながら、例外的な事象も多く、課題が残されてきた。本研究代表者は博士論文において、「接続助詞+存在動詞an」構文を「存在型アスペクト形式」と定義し、アイヌ語沙流・千歳方言の存在型アスペクト形式の意味機能の分析を行った。これを踏まえ、本研究では、アイヌ語静内方言における存在型アスペクト形式を分析対象とし、沙流・千歳方言のケースと比較検討することで、方言間のアスペクト形式の意味範疇を明らかにする。
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研究成果の概要 |
アイヌ語静内方言における存在型アスペクト形式kane an、wa an、hine anを分析対象とし、沙流・千歳方言のケースと比較検討することで、方言間のアスペクト形式の意味範疇の差異を調べた。結果、静内方言のkane anの用法が、沙流・千歳方言のkor an のみならずkane anとも共通していることを指摘した。また、静内方言のwa anおよびhine anに、沙流・千歳方言同様、脱アスペクト的な用法があることを指摘した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アイヌ語北海道諸方言は大きく南西部と北東部に二分されるが、アイヌ語静内方言はその方言境界に位置するものであり、今回の比較検討の成果はアイヌ語の方言体系やアスペクト体系解明の一助となることが期待される。
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