研究課題/領域番号 |
21K20016
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0102:文学、言語学およびその関連分野
|
研究機関 | 明海大学 |
研究代表者 |
辰己 雄太 明海大学, 外国語学部, 講師 (30906681)
|
研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
キーワード | 照応表現 / 代用形 / 代名詞 / 交差現象 / 意味論 / 統語論 / 相互照応形 / 指示詞 / 否定極性表現 / 言語学 / 言語データ調査 / 生成文法 |
研究開始時の研究の概要 |
生成文法の枠組みでは、束縛理論と呼ばれる理論のもと、照応表現、代名詞、固有名詞などについて、その性質が活発に議論されてきた。これらの名詞表現は、調査対象となる言語の階層構造についての証拠を提供することから、統語的なテストとしても広く使われている。しかし、これらの名詞表現を使った統語的なテストのいくつかに関しては、容認性判断の揺れが存在することが指摘されている。このような背景を踏まえ、本研究では、日本語における照応表現や代名詞について、オンラインでの実験・質問調査を行い、より幅広く言語データを収集する。また、収集したデータをもとに、束縛理論に関する既存の分析を見直していく。
|
研究成果の概要 |
本研究では、照応関係を持つことができる日本語の言語表現について調査を行った。特に、従来の束縛理論を見直すために、照応に関連する様々な言語表現を調査対象に含めた。具体的には、(i)「そんなに」の否定極性表現としての用法と束縛代名詞に関する性質、(ii)「そう」などの代用形の性質、(iii)複数の指示対象が存在する場合の交差現象、(iv)数量表現の照応用法などについて、それぞれ詳細な調査を行なった。これらのトピックは、従来の束縛理論の枠組みではあまり議論されていないが、照応関係を持ち得る言語表現を多角的な観点から分析することで、照応という言語現象の新しい側面を明らかにすることができた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
照応関係を持つ言語表現は、ヒトの言語に広く一般的に観察されている。本研究では、日本語における様々な照応表現に着目し、その性質について詳細な分析を行った。この研究を通して得られた成果は、他の言語との比較を行うことで、今後さらに通言語的な研究に発展することが期待される。また、日本語を母語としない研究者にも理解できる形で、日本語の照応表現について詳細な分析結果をまとめたことにより、海外の研究者が、日本語の照応表現を比較対照研究のテーマに選びやすくなるという学術的な意義も期待される。
|