研究課題/領域番号 |
21K20035
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0103:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
波田野 悠夏 東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 助教 (10907504)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 復顔 / 古人骨 / 自然人類学 / 歯科法医学 / 解剖学 / 歯 / 遺伝子 |
研究開始時の研究の概要 |
復顔とは,軟組織(筋肉・脂肪)をヒト頭蓋表面に積み重ねることで生前の顔貌を復元する法人類学的な手法である。 本研究は,99%に及ぶ遺伝情報解析に成功した古墳時代女性首長の人骨について,医学・理工学・考古学を横断する多領域研究の成果である最新の復顔技術を用いて顔貌を明らかにし,生前の姿に迫ることを目的とする。初年度は,CT撮影・デジタル解析を通し形態学的な検討と復顔像を作製,2年目は展示物・動画の作製を行い,シンポジウムや展示を企画しアウトリーチを通して広く研究成果を公表する。
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研究成果の概要 |
山形県米沢市戸塚山137号墳出土女性人骨についてCT撮影やスキャンでのデジタル化を行った。頭蓋骨についてはmHBM(国立研究開発法人産業技術総合研究所) とHBM-Rugle(Medic Enginee ring社)を使用し相同モデルでの解析を行うことで、類似個体を検索し補綴するなど新しい試みを行い完形頭蓋骨模型を作製した。理化学的・人類学的・考古学的な横断的分析で判明した結果を用い、他領域研究の成果も反映させ、最終的な復顔像及び全身像を作製した。 これらの成果を戸塚山137号墳と同時期の喜多方市灰塚山古墳出土男性人骨と比較し、当時考えられる2人の関係性を盛り込んた企画で市民公開展示を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
戸塚山137号墳出土女性人骨については、他領域で既に解析された遺伝情報や同位体分析、考古学的な検討が行われた。これらの研究成果を復顔に反映させることが可能で、多領域横断的研究を行うことができる非常に重要な事例である。東北地方に限らず、古墳時代の女性豪族の姿を復元するのは全国初となる試みである。 戸塚山137号墳と同時代・同地域で支配階級と考えられる灰塚山古墳男性人骨と比較する事で、遺跡間の考古学的関連性を含めた相互比較が可能な点も他に例がなく、東日本における古墳時代支配階級の姿を明らかにする学術的寄与として意義が大きい研究となる。
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