研究課題/領域番号 |
21K20038
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0103:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
金崎 由布子 東京大学, 総合研究博物館, 助教 (10908297)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | アンデス考古学 / アマゾン考古学 / 文明形成期 / 地域間交流 / 高精度編年 / ベイズ分析 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、アンデス・アマゾン間の地域間交流が、文明形成期の技術発達にどのように作用したかを明らかにするため、南米ペルーのワヤガ・ウカヤリ川流域を対象として調査を実施する。申請者はこれまで、山地と熱帯低地の境界付近に位置するワヤガ川上流域で高精度編年を確立し、土器出現期から約千年間の山地での熱帯文化の受容の様子を明らかにした。本研究では調査地を熱帯低地のウカヤリ川中流域に移して踏査・発掘を実施し、研究の基盤となる編年を構築するとともに、ワヤガ川上流域との詳細な比較を行う。それにより、形成期におけるアンデス山脈東側-アマゾン低地の地域間交流の具体的な様相および土器製作技術の発達プロセスを考察する。
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研究成果の概要 |
本研究では、アンデス・アマゾン間の相互交流が、文明形成にどのように作用したかを明らかにするために考古学調査を実施した。初年度に行った踏査では、先行調査において集中的な遺跡分布が確認されている中標高地帯だけでなく、形成期の遺跡が見つかっていなかったワヌコ北西部の高標高地域や、標高1000m を下回る熱帯雲霧林地域においても遺跡が発見された。そこで次年度には、アンデス・アマゾン間の相互交流を理解する上で特に重要と考えられる、ワヤガ川支流モンソン川流域の熱帯雲霧林地域に位置するチャウピヤク遺跡の発掘調査を実施した。その結果、前一千年紀におけるアンデス・アマゾン間の交流実態の一端が明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は、1970年代以降調査が停滞していたアンデス東斜面や熱帯低地における新たな考古学研究の先鞭をつけたことである。アンデス文明の形成には、隣接するアマゾン低地との関係が重要であるとされてきたが、調査の少なさによりその実態は明らかにされてこなかった。本研究では、これまで殆ど考古学調査が入っていなかった地域での踏査・発掘の実施により、アンデス・アマゾン間関係を考える上で極めて重要なデータを得ることができた。また、地元住民と協力して調査を実施することで、地域の歴史への関心を促し、文化財保護の意識を高めることにつながった。
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