研究課題/領域番号 |
21K20039
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0103:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山下 優介 東京大学, キャンパス計画室, 助教 (90909615)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 弥生・古墳時代移行期 / 移住 / 東日本 / 近江系土器 / 東海系土器 / 弥生時代 / 古墳時代 / 南関東地方 / レプリカ法 / 関東地方 / 土器の移動 |
研究開始時の研究の概要 |
弥生時代から古墳時代への移行期は地域間交流の範囲と規模が著しく拡大する時期である。本研究は、広域に及ぶ考古学的事象の共通性を生じさせた要因の一つが集団の移住行為であることを証明し、大規模な移住活動が古墳時代の社会変化を引き起こした、という仮説の検証を目的とする。 東日本地域における弥生時代から古墳時代における土器の移動、墳墓形態、住居形式、及び食文化を分析対象として、第1に集団移住を認定するための基準を定める。第2に移住の根拠となる考古事象の集成・分析を行う。そして第3に、大規模な移住の有無を総合的に判断し社会変化の背景を明らかにする。
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研究成果の概要 |
弥生時代から古墳時代への移行期は地域間交流の範囲と規模が著しく拡大する時期であるが、当該期の東日本においては、他地域からの土器の移動や新たな墓制が生じた要因の一つが集団の移住行為と予想されてきた。本研究では、関東地方を対象として、①土器の移動・②墓制・③住居形式・④集団の食文化に関する考古事象の集成・分析を実施した。分析の結果、関東地方では、他地域からの土器の移動に伴って、前方後方墳という新たな墓制や、他地域に系譜をもつ住居形式が認められる場合があり、この背景を集団の移住行為に求めることの蓋然性は高いと考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
定型化した前方後円墳の広域的な拡散を支えた交流関係が、古墳時代の開始に向かってどのように形成されたかという問題は、日本歴史上の重要な問いである。従来は、弥生時代から古墳時代への移行期に製作地から遠く離れて出土する外来系土器や、地域を超えて共有される墳墓といった個別要素の検討に基づいてこの問題は議論されてきた。本研究では、集団の特徴を表す複数の考古事象を対象とした多角的な検討に取り組んだだけでなく、当該期における東日本への移住行為の妥当性を検証する、という演繹的な検討姿勢をとることで問題の解決を試みた。
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