研究課題/領域番号 |
21K20043
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0103:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
|
研究機関 | 甲南大学 (2022) 大阪大学 (2021) |
研究代表者 |
新見 まどか 甲南大学, 文学部, 講師 (40759958)
|
研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 国際関係史 / 五代十国史 / 皇帝の併存 / 中国史 / 唐五代史 / 国際関係 / 五代十国 / 外交文書 / 藩鎮 |
研究開始時の研究の概要 |
中国史上、10世紀前半すなわち五代十国期は、かつて唐王朝のもとに一元的に掌握されてきた各地域が自立し、各地に独自の政権が打ち立てられた時代である。そのため、各政権間の国際関係が重要な研究課題となってきた。しかしながら従来の研究では、各国間の名分上の上下関係や天下理念の研究に重点が置かれ、外交の現場における具体的応酬については十分に分析されてこなかった。これに対し本研究は、これまで殆ど顧みられてこなかった十国側史料(所謂野史)に残された実際の外交関連文書の精読と分析を通し、当時の外交現場の実態、そして外交関係の段階的な変遷を解明することを目指す。
|
研究成果の概要 |
10世紀の前半、中国内地には複数の政権が乱立した。本研究では、この時期の中原王朝と、その西方から南方に位置した十国政権との間で交わされた外交関連文書の精読を行い、当該時期の国際関係の実像解明を行った。体的には、五代の後梁・後唐・後晋という三つの王朝が、蜀(前蜀・後蜀)および呉(南唐)と交わした国書などを分析した。その結果、中原皇帝と十国皇帝とが対等に認め合い修好を結ぶ事例が、実際には複数存在していたことが明らかとなった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来の五代十国史研究では、中原皇帝と十国皇帝との間での修好は成立し得ないという見方があたかも「歴史的事実」であるかのように語られ、ほぼ定説と化していた。この理論は、基本的に中原政権の立場にたった編纂史料の記述を軸に組み立てられてきた。これに対し本研究は、主に十国政権の立場にたった野史などに収録された国書を発見して読解し、従来認識されていた「歴史的事実」の根本的な誤りを指摘した点で、学術的に大きな意義がある。また、本研究の過程で、当時の国際関係をより詳細に分析できる外交関連文書がかなり多く存在することも分かった。今後は本研究の成果を基盤に、より具体的な五代十国史像を描き出せると期待される。
|