研究課題/領域番号 |
21K20051
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0103:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
袁 甲幸 早稲田大学, 文学学術院, 助手 (10905871)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 褒賞 / 名望家 / 地域社会 / 名望 / 天皇制 / 褒賞制度 / 在来産業 / 地方自治 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、これまでほとんど研究されてこなかった近代日本の褒賞制度に焦点をあてようとするものである。特に「公益」に貢献した人びとを対象とする褒賞制度の形成・変遷過程および制度運用の実態を、それぞれの時期に生じていた国家・社会的な課題と合わせて検討することによって、近代的な地域秩序の形成や変化の過程における同制度の意義を明らかにする。さらに、近世史研究で解明されつつある幕藩時代の褒賞システムの到達点や外国制度の受容も意識しながら、日本の近代市民社会の形成過程における歴史的な要素と外来的な要因を提示し、他時代・他国についての研究成果との架橋を試みたい。
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研究成果の概要 |
本研究では、国家と地域社会の結びつけ方を考察する新たな方法として、これまであまり注目されてこなかった民間人を対象とする国家褒賞制度を取り上げ、とりわけ、その中核にあたる褒章条例を考察の対象とした。具体的には、①褒章条例の制定・改正の具体的な政治過程の解明、②褒章推薦・銓衡の行政的な手順の把握、③戦前の褒章受章者のデータベースの作成を通して、どの時期どのような人々が国家褒賞の対象になったかを検証した。本研究を通して、近代日本の国家褒賞は、国家や社会の課題に敏感に対応していたこと、そして、大正中期まで、明確な地理範囲を持つ地域社会への貢献が推薦・銓衡の重要な根拠になっていたことが明らかにされた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的意義:①民間人を対象とする国家褒賞という新しい研究分野を開拓するにあたっての基礎的な作業を行った、本研究で把握した知見や作成したデータベースに基づいて、今後さらに国家褒賞と個人の名誉・社会への貢献の関係を検討したい。②日本近現代史研究の重要な課題である名望家秩序や、国家-地域社会の関係の今後の更なる発展のための、新しい視点を提供できた。 社会的意義:明治初期に作成された褒章条例は、改正はあったものの現代でも現行法令として運用されている。本研究の成果は今後の栄典制度の発展を考える上の重要な前提になっている。
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