研究課題/領域番号 |
21K20052
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0103:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
横山 未来 早稲田大学, 文学学術院, 助手 (70906700)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | カンボジア / 初期国家 / 先アンコール時代 / 土器 / 交流関係 / 民族調査 / 製作技術 / 考古遺物 / 先アンコール / 漢籍 / 碑文 / サンボー・プレイ・クック遺跡群 / 地域間交流 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、先アンコール時代の都市遺跡を中心に、漢籍や碑文などの文字史料の悉皆調査 および考古資料の型式学・編年学的研究を行うことで、カンボジアにおける初期国家の形成・発展過程と地域間交流の実態を解明する。 なかでも、真臘の王都イーシャーナプラに比定されるサンボー・プレイ・クック遺跡群は、漢籍と碑文に記された都市名がほぼ完全に対応する数少ない例のひとつであり、東南アジアの初期国家を研究するうえで重要な指標遺跡といえる。 本研究では、同遺跡群の出土遺物を基礎資料とし、周辺の同時代遺跡と比較することで、メコン川流域に成立した初源的な政体が、領域的な古代国家へと成熟していく過程を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究は先アンコール時代の都市遺跡を対象として、文字史料と考古資料の比較から、カンボジアにおける初期国家の形成・発展過程と交流の実態を解明することを目的とした。これまでの研究では、文字記録が残る紀元後3世紀以降とそれ以前の研究で大きな乖離が生じており、国家の形成・発展過程の一連の詳細な様相は語られてこなかったが、考古遺物の分析を行うことで、先史時代からの域内での交流を核として文化圏が形成され、長い年月のなかでの周辺地域との接触・交流を通じて外来の新しい文化要素・技術を取り入れながら、先アンコール時代に国家として発展していった様子を物質文化の側面から具体的に明らかにすることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、①カンボジアにおける文献研究と考古学研究、②先史時代と先アンコール時代の連続性、③ラオス・ベトナムに位置する先アンコール時代遺跡との比較研究、④同時代の周辺地域(周辺諸国)との比較研究、⑤民族事例の考古学調査への援用という方法をとることで、これまでの歴史研究で脆弱であった各分野・各地域の研究を繋ぎ、横断的に検討するという点に学術的意義がある。また、これらの成果をカンボジアおよび日本の学会・論文で発表するとともに、一般・子ども向けの展示やワークショップに活用し、社会還元を目指していく予定である。
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