研究課題/領域番号 |
21K20055
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0103:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
|
研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
竹原 弘展 同志社大学, 研究開発推進機構, 嘱託研究員 (30912109)
|
研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 黒曜石 / 産地推定 / 蛍光X線分析 / ポータブル型蛍光X線分析装置 / 非破壊分析 / オンサイト分析 / ポータブル蛍光X線分析 / 非破壊 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、従来卓上型エネルギー分散型蛍光X線分析装置で行われてきた遺跡出土黒曜石製石器の産地推定について、従来法に近い精度でのポータブル型エネルギー分散型蛍光X線分析装置による適用を目的としている。これまで筆者が使用している黒曜石原石をポータブル型蛍光X線分析装置で測定し、ポータブル型蛍光X線分析装置による黒曜石産地推定法を確立する。方法の確立により、発掘調査現場や遺物収蔵庫といったその場での測定が可能となり、より効率的な測定が可能で、測定点数の飛躍的増加を見込める。
|
研究実績の概要 |
本研究は、従来卓上型エネルギー分散型蛍光X線分析装置で行われてきた遺跡出土黒曜石製石器の産地推定について、従来法に近い精度でのポータブル型エネルギー分散型蛍光X線分析装置による適用を目的としている。これまで筆者が使用している黒曜石原石をポータブル型蛍光X線分析装置で測定し、ポータブル型蛍光X線分析装置による黒曜石産地推定法を確立する。方法の確立により、発掘調査現場や遺物収蔵庫といったその場での測定が可能となり、測定点数の飛躍的増加や、従来持ち出しが困難であった遺物の測定を見込める。 今年度も引き続き、黒曜石原石をポータブル型蛍光X線分析装置で測定し、得られた蛍光X線スペクトルよりカリウム、マンガン、鉄、ルビジウム、ストロンチウム、イットリウム、ジルコニウム等の蛍光X線強度を取り出し、各元素を組み合わせた強度比を算出して、黒曜石の産地推定に用いる判別図の作成を行った。また、並行して一部不足している地域の原石採集を実施した。 筆者が卓上型エネルギー分散型蛍光X線分析装置で本州以東の判別図の作成に使用している原石はすべて測定が完了し、従来の卓上型蛍光X線分析装置による測定で得られる判別図とおおむね遜色がない図が得られ、ポータブル型エネルギー分散型蛍光X線分析装置での測定も実用上問題ないことが確認できた。 引き続き、黒曜石原石およびその測定データの拡充と、ポータブル型蛍光X線分析装置での測定作業の効率化、特にデータ抽出の効率化を図り、ポータブル型蛍光X線分析装置を使用した判別図法による黒曜石製石器の産地推定法を確立する。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ポータブル型蛍光X線分析装置による黒曜石原石の測定の結果、従来の卓上型蛍光X線分析装置での測定値で作成した判別図と比較しても、おおむね遜色ない図が作成可能と確認された。 ただ、測定自体は短時間で完了できるものの、現状ではデータ抽出の作業効率が若干悪く、従来の卓上型蛍光X線分析装置による測定よりも効率がやや劣る。データ抽出方法の改良が必要であり、引き続き検討を要する。
|
今後の研究の推進方策 |
ポータブル型蛍光X線分析装置で未測定である九州地方の黒曜石原石や、新たに採集してきた原石の測定を進め、ポータブル型蛍光X線分析装置を使用した判別図法による黒曜石産地推定の適用範囲を拡充する。同時に、課題である測定データ抽出法の改良を行い、作業の効率化を図る。 得られた成果は、日本文化財科学会で発表予定である。
|