研究課題/領域番号 |
21K20056
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0103:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
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研究機関 | 佛教大学 |
研究代表者 |
堀 大介 佛教大学, 歴史学部, 教授 (00913641)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 継体大王 / 越前の古墳群 / 隅田八幡神社人物画像鏡 / 日本書紀 / 人制 / 国家形成史 / 制度史 / 有力墓系譜 / ヤマト王権 / 古墳 / 有力墓系列 / 国家形成史論 / 古墳時代 |
研究開始時の研究の概要 |
継体大王は6世紀に活躍した倭国の大王である。『日本書紀』に詳述があり、地方豪族でありながら大王に就任し、王家断絶の危機に瀕して越前(福井県)から迎えられた異例の人物として描かれる。その人物像には謎が多く、古代史でも特に注目される研究分野のひとつである。関連著書は多く、研究テーマも継体の出自論・系譜論など多岐にわたり、三王朝交代説と王朝交代批判説、二王朝並立説など著名な学説から、継体の王族説・地方豪族説、殺害説に至るまで諸説ある。継体大王は歴史上、のちの律令国家につながる初期官僚制や中央集権化の基礎を作りあげた人物と考えており、本研究により考古学・文献史学的視点から新たな国家形成論を構築する。
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研究成果の概要 |
本研究では、6世紀初頭に即位したとされる継体大王と、その登場前後の制度史に関して、考古学と文献史学などの学問分野を中心とした総合的な視点からのアプローチにより、『古事記』『日本書紀』などに記された継体に関する記述のなかから歴史事実を見いだし、継体が果たした歴史的役割とその意義を考え、トモ制、府官制、人制、部民制、ウジ・カバネ制、ミヤケ制などの諸制の成立時期を考えたうえで、5、6世紀における倭国の国家形成史論を構築した。これまで諸説紛々たる状況にあった継体研究において、とくに出自や即位の経緯に関しては記紀の内容のある程度の信憑性を認め、人制をはじめとした諸制の理解についても新見解を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の意義は、とくに即位前の継体大王の実態について、越前における古墳群の考古学的な分析により、尾張の大豪族との婚姻関係など『日本書紀』の記事の一部に信憑性を認め、また継体登場に至る越前独自の政治体制についても明らかにした点、隅田八幡神社人物画像鏡の銘文にもとづいた継体の即位論は成り立たないことを明らかにした点にある。また、国家形成史論に関しては、考古学と文献史学の成果を体系的で網羅的な視点をもち、一部の研究者の見解に偏ることなく幅広く成果を取り入れたうえで、5から6世紀にかけての王権にかかる諸制について、成立時期の観点から総合的に論じた点にある。
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