研究課題/領域番号 |
21K20061
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0103:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
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研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所 |
研究代表者 |
扈 素妍 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 企画調整部, アソシエイトフェロー (00908204)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 産婆 / 近代 / 越境 / 韓半島 / 植民地朝鮮 / 出産衛生 / 日本人女性 / 日本人産婆 / 越境者 / 東洋近代史 / ジェンダー史 / 女性史 / 渡韓 / 産婆労働 / 出産の場 / 衛生史 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、植民地という地域内の日本人と被植民者との政治関係を究明し、日本史/植民地史として分離されてきた東アジア近代史を築き直すため、まず、近代における日本人産婆の越境の実態を探り、近代東アジアの衛生史を問い直すことを目的とする。特に韓半島へ渡った産婆の状況とそこでの労働環境、生活状態の検討を通じて検証することを課題とするものである。
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研究成果の概要 |
本研究では、近代における日本人女性の越境の状況とその特徴を確認するために、免許さえ取得すれば、他地域でも活動することができた産婆に着目して、韓半島に越境した日本人産婆たちの活動を明らかにした。さらに植民地朝鮮期以前の韓半島に越境した日本人産婆の活動についてその法的基盤や、労働環境などを解明し、東アジア近代史・衛生史における新しい知見を提示した。そして、植民地朝鮮における産婆活動の分析を通じて近代東アジア衛生史の中で女性衛生専門家の有り様を究明し、彼らの役割を植民地社会の中で位置づけることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、越境者社会と原住民社会、また、植民者社会と被植民者社会の出産に介入し、自らも越境者として生活する女性労働者として日本人産婆を、近代東アジア史の越境実態を理解できる新しい分析軸として提示した。その上、これまで研究が少なかった、女性越境者として産婆の有り様を確認し、近代における女性の生き方の多様性を捉えて、その特徴について考察した。そして、植民地朝鮮期以前から植民地期まで韓半島に越境した日本人産婆の実態を明らかにすることで、今後、出産の場に関する研究を東アジア全域に拡大し、近代東アジア衛生史の問い直す土台を築いた。
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