研究課題/領域番号 |
21K20075
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0104:地理学、文化人類学、民俗学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 (2022) 龍谷大学 (2021) |
研究代表者 |
山崎 暢子 京都大学, アフリカ地域研究資料センター, 特任研究員 (80912196)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 紛争経験 / 除隊兵士 / 植民地 / 紛争後社会 / キングス・アフリカン・ライフルズ / ウェスト・ナイル / ウガンダ |
研究開始時の研究の概要 |
キングス・アフリカン・ライフルズ(KAR、東アフリカ連隊)は20世紀初頭、イギリス領の東アフリカに配置された複数の大隊で構成された。本研究は、とくにウガンダ独立時のKAR第4大隊の解体と国軍編成の過程、KAR兵士および独立後の国軍兵士の、大戦後・除隊後の生活を明らかにすることを目的とする。当事者が構築してきた社会関係を各時代の地域の政治経済状況に位置づけつつ、戦場動員を含めた兵役中の生活や帰還後の社会復帰の経緯など、兵士本人とその親族・遺族の語りから彼・彼女らのライフヒストリーを理解し分析することを目指す。文献調査では、保護領期以降の軍編成・補償に関する資料を精査する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、東アフリカのイギリス領に配置されたキングス・アフリカン・ライフルズ(King's African Rifles: KAR)のうちウガンダ第4大隊の、ウガンダ独立時の解体と国軍編成の過程、KAR兵士や独立後の国軍兵士の大戦後・除隊後の生活を明らかにすることである。令和4年度は、ハーバード大学燕京研究所(Harvard Yenching Institute: HYI)および同大学アフリカ研究センター(Harvard University Center for African Studies: CAS)におけるアフリカの歴史と文化に関する研修プログラムへの参加をとおして、ウガンダを含む東アフリカをはじめ、西アフリカや南部アフリカの植民地期から独立後、現代に至るまでの各地の治安部隊、国家と社会に関する地域差や共通点をめぐる議論について知見を得られたことが大きな収穫であった。この滞在期間に、本研究課題に関する専門の研究者と研究交流が進んだことも評価できる。研究成果として、2022年11月に第65回全米アフリカ学会における口頭発表、2022年12月に第33回国際開発学会・全国大会(前夜祭)パネルでの口頭発表、2023年4月にハーバード大学CASにおける最終成果発表コロキアムにおける口頭発表を実施した。これらの発表機会をとおして得た参加者からのフィードバックの数々は、本研究課題を進めるうえで極めて貴重なものとなっている。執筆した2本の学術論文が令和5年度内に刊行されるよう、尽力する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年8月からのハーバード大学滞在中に、多くの貴重な文献と資料を閲覧・精査することができた。また、上記大学をはじめアメリカの各大学の隣接分野の研究者との研究交流・推進も実現した。これにより、2023年夏に予定しているウガンダなどにおける現地調査のために必要な準備を大きく進めることができた。3件の口頭発表の実施によって研究成果を公表したことに加えて、2本の欧文論文投稿の目途が立ったことも、この評価の理由である。
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今後の研究の推進方策 |
2023年夏にウガンダとケニア、イギリスで現地調査を実施予定である。2023年5~6月のカナダ・アフリカ学会(Canadian Association of African Studies)、2023年11~12月の全米アフリカ学会(African Studies Association)などに参加して本研究課題の位置づけを明確にするとともに、出版社および研究者とのネットワーク構築に励む。事例研究にもとづく議論の深化・発展のため、執筆と口頭発表による研究成果の公表に引き続き努める。本課題研究に関連する書籍刊行のための執筆に着手する。
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