研究課題/領域番号 |
21K20087
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0105:法学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
齋藤 暁 京都大学, 法学研究科, 特定助教 (90911941)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 法ドグマーティク / 憲法学の方法 / ドイツ連邦憲法裁判所 / ドイツ学術審議会 / 比例原則 / 法曹養成教育 / ドグマーティク / 法理論 / 憲法理論 / ドイツ憲法学 / 三段階審査 |
研究開始時の研究の概要 |
近年の憲法学では、ドイツ法学由来の「ドグマーティク」概念への注目が高まっているが、その意義と課題は必ずしも共有されてこなかった。さしあたりドグマーティクとは、法実務家の法適用の補助を志向する、体系的な法的概念を構成する狭義の法学と解され、法解釈のインフラストラクチャーとして法的安定性の確保に貢献する。しかし、その理論的検討は実はドイツでも不十分であり、様々な問題点も指摘されている。 本研究は、ドグマーティクに内在する法理論上の問題点の検討を通じて、ドイツ憲法学におけるドグマーティクの方法の可能性と限界を明らかにし、その方法がわが国の憲法学にどの程度共有し得るか把握することを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究では、ドイツ憲法学における法ドグマーティクの可能性と限界を明らかにするために、主に憲法学の方法の省察が盛んな2000年代後半以降の研究動向を追跡し、その理論内在的な問題と学問がおかれた環境の双方から考察を進めた。法ドグマーティクが構成した法的概念は、法学と法実務のあいだで循環的に再生産されることで安定的な法的論証を可能とする。しかし、そこでは省察の契機や基礎科目の知見が構造上喪失する恐れがあるため、研究と教育では学際的・学領域内的な視点を絶えず取り込む必要がある。本研究により、ドイツ憲法(学)の基本的前提を学界に共有し、また日本における憲法学の方法を再検討する知的土台を獲得できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究をつうじて、いまだ日本で不明瞭な概念である法ドグマーティク(法解釈学)の可能性と限界を明らかにし、それによってドイツ憲法(学)の基本的前提を学界に共有し、日本における憲法学の方法を再検討する知的土台を獲得することができた。憲法学の方法・対象・課題は国や時代で実際には大きく異なるが、本研究ではドイツ憲法学に特徴的な法ドグマーティクの方法を照射し、その法実務との近さの所以を制度的な背景(憲法裁判所、法曹養成教育、出版媒体)にまで遡って考察したことで、法適用者の法的実践を合理化し法的安定性を保障するという、民主的な立憲国家で憲法学が果たすべき社会的役割を摘示した。
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