研究課題/領域番号 |
21K20089
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0105:法学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
高原 知明 大阪大学, 大学院高等司法研究科, 教授 (80909309)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 裁判官 / 経験則 / 会社訴訟 / 専門的知見 / 専門知 / 暗黙知 / 訴訟記録 / 専門値 / 獲得 / 選択 / 過程 |
研究開始時の研究の概要 |
21世紀の急速な社会構造の変化、取り分け高度情報化や高齢者社会の進行に伴い、異なる時代を生き、経験や行動の在り方を異にする者らが民事裁判の中で当事者や裁判官の立場で議論する場面が増えている。訴訟当事者や裁判官が依って立つ経験則が異なることが原因で、審理が平行線をたどって長期化し、審理期間が長期化する事態もみられ、問題視されている。経験則には、常識に属するものから専門的知見まで種々雑多なものが問題となり得る。本研究は、このような事態がしばしばみられる類型の一つである会社訴訟を素材に、裁判官が、経験則をどのような手段で入手し、これらをどのように取捨採否してきたのかを分析し、その過程を構造化する。
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研究実績の概要 |
本年度は、本研究の2年目後半、3年目前半であった。後述する理由で、研究素材の収集作業が予定通り進まなかったものの、本研究の準備作業としての訴訟記録閲覧等制度に関する基礎研究については、勤務校紀要への連載を令和5年9月までに完結させ、当事者以外の者が訴訟記録を閲覧等する制度の沿革や理論的根拠等を一定範囲で明らかにした。 本年度において、本研究に関わる裁判例2件につき、令和5年6月と令和6年3月に、民間評釈雑誌に評釈を公表した(後者は令和6年4月に連載完結)。 前年度に引き続き、所属校において、医事関係訴訟をテーマとする演習を法学部で開講し、鑑定経験等のある勤務校所属医師の参画を得て、裁判官の面前には現れず、訴訟記録に残ることはない経験則等を法廷外で獲得し、吸収し、訴訟の審理や判断に活用していく過程を、多角的に明らかにすることに引き続き努めるとともに、法科大学院において、会社訴訟に焦点を当てた民事訴訟法の演習科目を新たに担当し、研究対象に対する考察を深めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
第一四半期に東京地方裁判所において研究素材の収集作業を行う予定であったが、司法試験実施時期の変更に伴う担当授業数の増加や研究代表者の新型コロナウイルス罹患等により、予定した作業の遂行に困難を生じたことのほか、前述の判例評釈の対象はいずれも東京地方裁判所の裁判であり、これらの執筆作業を先行させたことによる。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の上半期までに、前年度に予定していた東京地方裁判所中目黒庁舎における研究素材となるべき訴訟記録(判決書写しを含む。)の収集作業を集中的に行い、残りの期間を用いて、研究計画にできる限り近い形で研究を進めていく予定である。
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