研究課題/領域番号 |
21K20096
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0105:法学およびその関連分野
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
中村 江里加 帝京大学, 法学部, 助教 (70907568)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | アカウンタビリティー / 信義誠実原則 / 人権 / 協力義務 / 法的利益 / 国際組織の設立文書 / 国際組織法 / 国際法 / 国際組織 |
研究開始時の研究の概要 |
これまで国際法学では、国際組織の活動が個人に影響を与えているのにも関わらず、それに対して実効的な救済手段が存在しないという問題について、国際組織の法的責任や政治的責任をアカウンタビリティーという概念を用いて検討してきた。本研究では、これらの国際組織のアカウンタビリティーに関する問題の中でも、国際組織の活動を規律する実効的な法規範が存在しないために解決困難と考えられている問題について、信義誠実原則を適用することによって解決する方策を検討する。
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研究成果の概要 |
国際組織の活動の中には、国連平和維持部隊を原因としたにハイチでのコレラ蔓延の例のように、個人に影響を与えるものがあることが問題となってきた。これに対して、国際組織の責任を認定することが難しいという問題が国際法学でも課題だと考えられてきた。そこで、本研究では、法的責任の基礎や、政治的責任を実現する法制度の基礎として、信義誠実原則に依拠することができることを明らかにした。法的関係に対する信頼を確保することは、法を機能させるために必要な基本的要素であり、国際組織に関する法的関係においても例外ではない。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、国際組織の活動が個人に影響を与えていても、国際組織の法的責任が曖昧であるという問題に対して、法的解決のアプローチの一つとして、信義誠実原則に基づき国際組織の基本文書である設立文書を解釈することを示した。この解決方法の利点は、類似の問題に対して広く一般的に適用可能であるという点である。国際組織の活動が個人に影響を与えている事例に対して、一般的には、国際組織が国際法上の責任を負わない、または、その責任を追及する手段がないと考えらえている。これに対して、本研究では、同原則が問題解決の手段の一つとなりうることに光を当てたという意義がある。
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