研究課題/領域番号 |
21K20098
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0105:法学およびその関連分野
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
松田 和樹 早稲田大学, 法学学術院, 助手 (10906861)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 法哲学 / 政治哲学 / フェミニズム / 同性婚 / 家族法 / 婚姻 / 親子 / クィア / ジェンダー法学 / 養子縁組 / セクシュアリティ / リベラリズム / 子どもの権利 / 婚姻制度 / 契約法 / ジェンダー法 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、家族をめぐる人々の自由の尊重を出発点とした上で、共同生活や養育におけるその自由の限界を法哲学的に研究し、婚姻法の契約法化の内実と養育の制度の最良の構想を明らかにすることである。成人間の関係については、契約の自由とその限界について考察してきた契約法の哲学の知見を参照することで整理・分析し、成人による子の養育については、子どもの権利の哲学も加えて参照することで整理・分析する。
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研究成果の概要 |
マーサ・ファインマンは、依存とケアの制度として家族法を再編し、自立した成人同士の関係を特別に保護する法律婚を廃止すべきだと提案した。この提案は、英米日の法哲学・政治哲学でしばしば支持されているが、婚姻の契約法化やケアの制度の内実については、論者によって異なる見解が唱えられてきた。本研究は、契約法理論や子どもの権利に関する理論を参照してそれら異なる見解を分析・検討し、来たるべき家族法を指導する最良の規範理論をある程度明らかにした。特に、共同生活における交渉力格差や、養育者割り当て原理について、一定の答えを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本論文は、婚姻から親子まで、特に英米・日本における現代の家族法哲学の文献を包括的に検討することを通じて、私たちが自由に追求・形成する多様な家族を平等に尊重しつつ、多様な家族の中にいる弱者/子どもを遍く保護する法的仕組みの方向性を明らかにした。そうすることで、多様な関係/性の平等な尊重、ジェンダーや経済力に由来する格差の是正、全ての子どもの権利の平等な保障、依存とケアへの公的対処など、現代社会で重要な課題の解決に貢献する重要な知見を提供した。
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