研究課題/領域番号 |
21K20099
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0105:法学およびその関連分野
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研究機関 | 日本福祉大学 |
研究代表者 |
砂原 美佳 日本福祉大学, 国際福祉開発学部, 准教授 (30467261)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | アジャイル型評価 / 法整備支援 / アジャイル型政策評価 / 法と開発 / 行政の冗長性 / アジャイル評価 / アジリティ / 行政評価 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、北欧諸国において政府開発援助の評価手法として部分的に採用されている「アジャイル評価」に着目し、対カンボジア法学教育支援事業および対ベトナム福祉支援事業(Active Aging)を事例に、プロジェクト実施期間中の状況変化への「明敏な対応」を軸とする「アジャイル評価」の特徴を明らかにすることである。
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研究実績の概要 |
本研究は、「複雑な領域」とされる分野に試行されている「アジャイル評価」の捉える「変化への対応を軸とした成果」と、評価手法としての特徴を明らかにすることを目的としている。行政評価の世界に「アジリティ(agility)」を導入する議論は、英国およびデンマークにおいて先進的研究がなされており、国際協力分野では、医療・福祉分野においてその導入が進んでいる。 一般に「評価」は、対象事業が計画された時点における計画書をもとに、想定された目標の達成状況を判断するが、アジャイル評価を試行するデンマーク政府 は、計画書を軸とする評価を「原因と結果の関係が誰の目からも明白な領域」および「専門家が分析すれば有効な選択肢を選定・選択しうる領域」に限定して用いている。一方で、コロナ禍への対応からも明らかなように、行政活動には「複雑な領域(試してみなければわからない領域=当初計画が当てにならない領域)」が拡大しており、こうした領域に対しては、計画ではなく「明敏さ」「変化への対応力」に価値をおくアジャイル評価が試行されている。
このように「アジャイル型評価」は手法として確立したものではない。そのため、導入事例を丁寧に現地調査などを通じて検討する必要があるが、今年度は当初予定していた調査ではなかった。しかしながら、アジャイル型評価に関する研究動向の整理をはじめ、スウェーデン、デンマーク、エストニアを中心にアジャイル型評価の担当者・研究者と交流の機会を持つことができた。今後も定期的な研究交流を通じ、現在進行形で試行錯誤されるアジャイル型評価の現況や課題について検討していきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
年末に体調を壊し、予定していた研究発表(スウェーデン・ルンド大学)を実現することが叶わなかった。またそれに先駆けて実施予定であった海外調査も実施することができなかった。ただし、2ヶ月に1度のペースで行っている「法整備支援評価研究会」をはじめ、国内における研究報告、学会参加、調査などは予定通り行うことができたこと、また現地調査の代わりにオンラインにてインタビューなどを実施することができた。これは当初予定していなかったことだが、「アジャイル型評価」を担当することになった関係者の試行錯誤を現在進行形の形で共有できている点は、本研究の目的に照らして意義があると考える。このように、予定通りとはいかなかったものの、予定外の成果が得られていると考え「おおむね順調」と判断する。
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今後の研究の推進方策 |
研究期間を1年延長させていただいた。ルンド大学、ウメオ大学などスウェーデンの法整備支援研究者との交流を密にしながら、本年度実施できなかった「アジャイル型評価」に関する調査を実施し、その成果を踏まえた学会および論文執筆を予定している。
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