研究課題/領域番号 |
21K20107
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0106:政治学およびその関連分野
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研究機関 | 駿河台大学 |
研究代表者 |
黒木 美來 駿河台大学, 法学部, 講師 (60891190)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 欧州運動 / 欧州統合運動 / 欧州統合史 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、第二次世界大戦後から1950年代半ばの欧州統合の成立期において、欧州統合運動団体が実際の統合過程に果たした役割の一端について分析を試みるものである。具体的には、西欧各国の欧州統合運動団体の上部組織である「欧州運動(European Movement)」に着目し、1949年5月に設立された欧州評議会、ならびに1952年に登場した欧州政治共同体の設立過程交渉において、西欧各国政府に対しどのような構想をもってどのような圧力行動を行ったのか、特に「欧州議会」構想に着目しながら、史的に分析を試みるものである。
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研究成果の概要 |
補助事業期間中には、論文2本、学会報告2回の研究成果を残すことができた。2021年には、1949年5月に設立される欧州評議会(Council of Europe)への継続性という観点から重要と考える1948年5月に開催された「ハーグ会議」について、その準備過程を考察した論文を投稿した。また、2022年にはハーグ会議当日の議論について検討を試みた論文を学会誌に投稿した。2回の学会報告では、2021年に欧州評議会の設立過程における「欧州運動(European Movement)」の役割について、2023年の報告では、本研究課題全体(1947年から1954年)に関わる大きな流れを報告する機会を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は、欧州統合史を非政府アクターとの関係から描き直した点にあると考える。補助事業期間中に発表した論文の中では、英国政府等と非政府アクターである欧州統合運動団体が関わり合ったことによって、後の欧州統合にどのような影響を生んだかという点が考察されている。また、1940年代後半という必ずしも冷戦に規定されていない時代に、幅広いアクターの中でどのような「ヨーロッパ」が模索されていたのか、特に議員や民間人はどのように地域機構とのアクセス・ポイントを創り出そうとしていたのかという点について、「欧州議会」を軸に明らかにした点は、欧州統合史において少なからず学術的貢献のあるものと考える。
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