研究課題/領域番号 |
21K20119
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0107:経済学、経営学およびその関連分野
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研究機関 | 小樽商科大学 |
研究代表者 |
多田 伶 小樽商科大学, 商学部, 准教授 (00908288)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | マーケティング / 消費者行動 / 購買意思決定 / コミュニケーション / 広告 |
研究開始時の研究の概要 |
企業は自社製品・サービスの認知度を高め、消費者に購入を促すため、マーケティング・コミュニケーションを積極的に行う。これまで、日本国内外において、広告効果を分析するための枠組みが多数提唱されてきた。本研究は社会心理学の理論を取り入れながら、消費者の判断・意思決定における情報処理が中断される機会に注目し、新たな広告効果モデルの構築を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は消費者情報処理の中断が広告効果に及ぼす影響を検証することである。まず、基礎研究の成果として、ブランドにおけるアイデンティティとイメージの乖離が大きなマーケティング課題であると示した。次に、中断の戦略的活用を視野に入れて、中断量を測定する尺度を構築した。中断は複数のタイプに分けられるため、情報処理パターンとメディア利用行動、広告効果の関係も明らかにした。最終的には、広告戦略の立案時に有用な消費者状態変化モデルを提案できた。今まで重点的に扱われることの少なかった、情報処理の中断を様々な角度から検討した点で、マーケティングや消費者行動の研究領域に貢献がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
消費者情報処理の中断は認知プロセスの規定要因として1970年代以降注目されてきたが、研究自体は大きく進展していなかった。それらの概念をマーケティングや消費者行動の研究領域に応用できたため、学術的意義は大きい。また、本研究は広告戦略の立案時に留意すべき点を明らかにした。ブランドにおけるアイデンティティとイメージの乖離を埋める役割が広告コミュニケーションに求められており、情報処理の中断はポジティブな広告効果をもたらすことから、中断を戦略的に活用できる可能性が示された。非連続的な情報処理が行われやすい現代社会において、中断の重要性を提案できたことによる社会的意義も大きい。
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