研究課題/領域番号 |
21K20176
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0108:社会学およびその関連分野
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
河村 裕樹 一橋大学, 大学院社会学研究科, 教育職(教務職員)相当 (10906928)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | エスノメソドロジー / 医療社会学 / 精神医療 / 専門性 / 症例検討会 / ケースカンファレンス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、多職種協働という今日的な専門職のあり方が強く要請されている精神医療に着目し、異なる専門性を有する精神医療従事者が、専門性を発揮する際に用いるやり方を記述する。そして、生物医学的な根拠を示すことができないがゆえに、その科学性に疑問をもたれることの多い精神医学的な専門性を明らかにすることを目指す。そのために、精神科の医局において行われている症例検討会や診療場面を記録したデータを収集し、研究者の志向ではなく、参与者の志向に即した記述を目指すエスノメソドロジー研究の方法論的態度において分析する。
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研究成果の概要 |
本研究の成果は、実践の参与者の志向に即して現象を記述するエスノメソドロジー研究の方法論的態度において、症例検討会における相互行為を分析したことで、ケース(症例)の検討を行うということが、同時に専門性の違いや業務の範囲を確定することでもあり、新人や研修医を教育することでもあることを記述したことである。そのことによって、症例検討会の複層性のもとで、異なる専門性を有する専門家同士が協働することを可能にする基盤を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は、特定の症例検討会における相互行為をエスノメソドロジー研究の観点から分析することで、ケース(症例)を検討する場面として自明視されてきた症例検討会の特徴に、当人たちが込めている意義や位置づけを分析的に付け加えたことである。 このようにして得られた学術的意義は、実践の参与者たちが改めて自分たちの活動を振り返り、自身の専門性について考える材料を提供し得る。また、精神医学的知識について、教科書的な見方とは異なる仕方で理解する可能性を拡げ得る点で、社会的な意義を有する。
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