研究課題/領域番号 |
21K20183
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0108:社会学およびその関連分野
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研究機関 | 新潟医療福祉大学 |
研究代表者 |
渡辺 恵 新潟医療福祉大学, 社会福祉学部, 講師 (90909144)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 母子生活支援施設 / DV / 児童虐待 / 自治体職員 / 多機関連携 / ソーシャルワーク |
研究開始時の研究の概要 |
母子生活支援施設は、DV児童虐待から避難した母子の生活の場として重要な役割を担っている。社会的養護を行う児童福祉施設には児童のみが児童相談所の措置で入所するが、母子生活支援施設は、母が福祉事務所に入所申請を行い、契約により母子で利用する。他施設と比較して際立った特徴を有するが、入所世帯数は減少している。 なぜ、母子生活支援施設は、課題を抱えた母から選ばれないのか。 実施機関である福祉事務所と、母子の相談に応じる関係機関の双方に調査を行い、DV児童虐待を主訴とした母子の支援に関して、有効な多機関連携、丁寧なソーシャルワークが機能しているかを検証し、母子生活支援施設の役割を問い直す。
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研究成果の概要 |
自治体職員への調査により、DV及び児童虐待の相談件数増加に関わらず、母子生活支援施設(以下、施設)の入所世帯数が減少する要因の特定を試みた。調査対象は600名、有効回答は216名だった。(有効回答率36.0%)約6割の職員が、施設利用ニーズがあるとアセスメントされたケースを経験していた、約3割の職員が、ニーズ はあるが入所しなかったケースを経験していた。ニーズがあるとアセスメントされたケースは、安全確保の必要性、経済的困窮、長期的支援の必要があった。当初希望しなかったが結果的に入所したケースの存在からは、自治体職員による意思決定支援が入所を促進する要因の一つとなっていることが示唆される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
自治体職員は、アセスメントに基づいて母に施設の情報提供を行い、関係機関で支援方針を共有しているが、施設のルールや所在地が入所の阻害要因となっている実態が明らかになった。再被害防止を被害者避難だけに求めず、加害者対策の強化による施設と母子の安全確保をしなければ、施設は母に選ばれず、子どもにとっての最善の利益を優先できる機会を逸することになりかねない。結果的に施設利用の阻害につながるルールの検討も必要である。また、当初希望しなかったが結果的に入所したケースの存在からは、自治体職員による意思決定支援が入所を促進する要因の一つとなっていることが示唆される。専門性の高い職員の確保が必要である。
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