研究課題/領域番号 |
21K20186
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0108:社会学およびその関連分野
|
研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
辻井 敦大 立命館大学, 衣笠総合研究機構, 研究員 (50906766)
|
研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 伴侶動物 / 墓 / 動物霊園 / 葬儀 / 火葬炉 / 家族 / ペット産業 / 経営 / 公衆衛生 / 霊園 / 都市計画 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、伴侶動物に対する墓が成立した社会的意味を探究することである。具体的には、公衆衛生・都市計画・ペット産業との関連のもとで、伴侶動物に対する墓が成立した経緯とその意味づけの変化を明らかにする。その研究方法としては、公衆衛生・都市計画・ペット産業に関する資料分析、および動物霊園、人間と伴侶動物が一緒に埋葬可能な墓地(霊園)への社会調査を実施する。この作業から、伴侶動物の「家族化」とは異なる論理のなかで、伴侶動物に対しての墓が成立した側面を解明することを目指す。
|
研究成果の概要 |
本研究の目的は、伴侶動物に対する墓、すなわち動物霊園(伴侶動物の遺骨を埋蔵・収蔵する施設)が成立し、増加した社会的意味を探究することである。 この研究成果として、動物霊園が成立し、増加した背景には、第1に人間の墓地と比較して、動物霊園の開発と管理・運営への法規制が2000年代以前まで緩かったことが関わっていることを示した。そして、第2に移動火葬車の普及が動物霊園の開発、管理・運営のコストを下げ、新たな事業者の新規参入が容易になったことが関係していることを解明した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、伴侶動物の「家族化」という社会現象を相対化した点で学術的意義を有している。主要な先行研究では、伴侶動物の「家族化」と相互作用しつつ動物霊園が隆盛し、増加したと理解してきた。しかし、本研究を通して、動物霊園が成立し、増加した背景には、法規制の緩さや移動火葬車の普及が関わっており、伴侶動物の「家族化」だけでは説明しきれないことが明らかになった。こうした事実を解明したことは、今後に伴侶動物の「家族化」をはじめとした動物と社会のかかわり合いを市場や産業の変化から捉える可能性を開く示唆をもつ点で、学術的意義を有する。
|