研究課題/領域番号 |
21K20188
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0108:社会学およびその関連分野
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
末吉 彩香 筑波大学, 人間系, 助教 (90908790)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 自閉スペクトラム症 / 就労支援 / ナラティブ / 自己効力 / 自己理解 / 発達障害 / 自己効力感 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,就労支援の中で自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder:ASD)者が互いの就労に関する経験を聞く・語ることの支援上の意義を明らかにする。 具体的には,①ASD者が他者の就職活動・就労経験の語りに対して持つ情報ニーズの解明,②他者の就職活動・就労経験の語りを聞くこと,自己の経験を語ることがASD者の就労に対する意識や自己理解に与える影響の解明を試みる。 本研究を通し,他者の経験を聞く・自己の経験を語る場面をASD者に対する就労支援の中により有効に組み込むことを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder:ASD)者を含む発達障害者の就労支援において、他者の就労に関する経験を聞くこと、就労後に他者に自己の経験を語ることが、就労に向けた意識・行動の変化や自己理解の深化にどのような影響を与えるかについて明らかにすることを目的に実施した。発達障害当事者へのアンケート調査やインタビュー調査を通し、ASD者を含む発達障害者への就労支援における「他者の経験を聴く・語る」実践は,経験を聞く者にとって有益であるだけでなく,経験を語る者にとっても自己理解の深化や社会生活を送るうえでの自信につながる可能性があることを示すことができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
就労後の他者の経験談を聞くことを通した情報提供や就労後の見通しをつけるための支援は、様々な支援機関で試みられている。一方で、「他者の経験を聞く・自己の経験を語る」場の支援上の効果の検証は不十分であった。本研究では、発達障害者への就労支援において「経験の語り」を用いた実践が経験を聞く側・語る側双方に肯定的影響があることを示した。さらに昨今では他者の経験談を聞く場や方法が多様化しているほか、他者の経験談を就労準備に効果的に繋げるための個別の支援が必要であることも示唆された。本研究の成果は、高等教育機関や就労移行支援事業所、自立訓練事業所等、多様な支援場面に波及すると考えられる。
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