研究課題/領域番号 |
21K20197
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0108:社会学およびその関連分野
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研究機関 | 大谷大学 |
研究代表者 |
許 燕華 大谷大学, 文学部, 助教 (50909504)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 移民 / トランスナショナルな生活 / 中国朝鮮族 / 故郷 / ホームランド / 新型コロナウイルス各段階 / 中国少数民族政策 / 新型コロナウィルス感染症 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、移民のホームランド維持に関する研究である。 従来の移民研究では、移民受入側に対する研究が中心であり、移民送出側、なかでも移民送出後の社会変容に焦点をあてた研究は少ない。移民とホームランドの関係は、強いイデオロギー的な想像のなかのもので維持するか、送金などで支えることで関係を続けるとされるが、移民はホームランドの実際の運営には関与しない(できない)と認識されてきた。 本研究では、移民が遠隔地からホームランドに直接介入する中国朝鮮族の農村社会に着目し、国境を越えて激しく人が移動するグローバル化社会における国際移民の行き先研究に新たな展開をもたらすことが期待される。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、中国の一少数民族である中国朝鮮族の現代移民を事例に、移民とホームランド関係・移民がホームランドを維持するにあたって何が影響を与えるのかを解明することである。 本研究は、日本、韓国、中国という3つの国における中国朝鮮族を対象に、ホームランド意識、ホームランドとの実際のかかわり方、近年の中国の少数民族政策と農村政策の変化及び新型コロナウイルス感染拡大による影響を考察する。 しかし、新型コロナウイルス感染拡大及びオミクロン株の出現により移動が制限されたため当初の計画を見直し、一年目は資料収集とインタネットインタビューを、二年目は状況をみながら移動制限が緩和された地域から現地調査を行うことにした。 2022年度は、夏に日本国内、冬に韓国に対する調査を行うことができた。7月30日から5日間、東京の中国朝鮮族飲食店の経営者と利用者に対してインタビュー調査、埼玉県川口市の外国人集中居住団地での参与観察及び元住民・周辺地域の中国人住民に対するインタビュー調査を行った。2月15日から20日間、ソウルと京畿道の中国朝鮮族移民に対するインタビュー調査、2つのチャイナタウンで参与観察を行った。日本と韓国の調査とも主に移民の生活状況、故郷との関係、新型コロナウイルス感染拡大の影響を調べた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス及びオミクロン株感染拡大による移動制限のため、初年度は調査ができず、2022年度から現地調査が可能になり、日本国内1回目、韓国1回目の調査が実現できた。しかし、当初予定していたメインの中国での調査は、中国国内の移動制限及び移動期間不透明のためやむを得ずまだ実現できていない。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、まず昨年の引き続きとして、日本(8月)と韓国(2月)での現地調査を行い、日本と韓国における中国朝鮮族移民のホームランド意識、中国の政策変化と新型コロナウイルス感染拡大の影響を比較検討する。 それから、9月と3月、2回にわたり中国延辺での現地調査を行う予定である。中国での入国条件の変更など状況により臨機応変に対応することとする。 今までの日本、韓国、中国でのデータを整理し、学会での発表および論文投稿を行う予定である。
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