研究課題/領域番号 |
21K20198
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0108:社会学およびその関連分野
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
岡本 直美 同志社大学, 研究開発推進機構, 助手 (20906630)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 伊江島土地闘争 / ライフヒストリー / 移民 / 移動 / 島ぐるみ闘争 / 沖縄戦後史 / 土地闘争 / 伊江島 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、米軍統治期沖縄の全沖縄的な反米軍基地闘争である「島ぐるみ」闘争を対象とする。そして、抵抗主体の移動経験を通して土地闘争の実態解明を目指す。研究対象地である伊江島の土地闘争は、土着性を前提に農民が直接占領者へ抵抗した点で、「島ぐるみ」闘争の一源流として議論されてきた。沖縄戦後史においてこの民衆運動は、いかなる<わたしたち>が形成されたのかという、沖縄の自治や自己決定の問題とも深く関わっている。そこで本研究は、移民や離散を経験する沖縄住民の流動性と土地との関係から、沖縄の自治や自己決定とは何かという問いを考察する。
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研究成果の概要 |
本研究は、<土着>の抵抗と捉えられてきた土地闘争を、抵抗主体の移動経験から再検討する点である。沖縄の移民研究では、アイデンティティや移民・移動に関する研究が蓄積されてきた。さらに、地上戦を経験し歴史資料の大半を消失した沖縄では、地域住民のライフヒストリーが歴史記録の根拠となってきた。そこで本研究では沖縄県伊江島の住民の戦前から米軍占領期にかけての移動のライフヒストリーを調査し、伊江島が開拓地であるがゆえに伊江島土地闘争を定住者の視点からではなく、定住と移動がミックスされた土地であることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、沖縄の軍用地問題を定住者と移民者両方の視点から追究する点において、従来の沖縄に関わる移民史や地域史、土地闘争史、民衆史を架橋するものである。例えば、地域史では、地域から離れた人びとの歴史は残りにくく、一方で移民史では移住地に焦点を当てた研究が比較的多い。本研究では、軍用地問題に抵抗する土地闘争という、沖縄戦後史研究においてメジャーな課題を扱いながらも、従来の研究では分野ごとに分かれていた歴史的事実を、人びとのライフヒストリーを通して繋ぐことで民衆史を深化させたといえるだろう。さらに、上記の課題は、研究の領域のみならず沖縄社会も大きな関心を持つものであり、社会的意義も持つものである。
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