研究課題
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IBPYPと日本の教育の相違点に着目し、「実際にIBPYPの導入が、どのように日本の伝統的な教育へ影響を与えるのか/与えないのか」を明らかにする。これによって「日本型」と「IB型」のせめぎ合いにおける教育構造の変化の可視化を試みる。IB教育は国内外で高い評価を得ているものの、日本におけるIB教育の導入とその過程を含む受容実態は不透明な現状にある。これまでの日本の伝統的な教育知見と見識をいかに活かすのかという側面を俯瞰し、PYPの受容実態を操作的に定義することで、初等教育モデルを新たに捉え直し、教育現場へ還元可能な実践モデルの導出を試みる。
本研究の目的は、日本における国際バカロレア(International Baccalaureate: IB)の初等教育プログラム(Primary Years Programme: PYP)の受容実態を実証的に解明することである。本研究では、学校教育法第1条に規定される学校(1条校)で展開される日本の伝統的な教育とIB教育の関連を弁証法的に検討し、「日本型IB教育の在り方」について示唆を得て、「教育現場へ還元可能な実践モデルの導出」に貢献することを試みる。今年度はまず、日本の幼児教育における国際バカロレア教育の地域化の実態について検討した。その結果、日本の幼児教育におけるPYPは「世界貢献」のようなIB的主題以上に「自分で考えること」、「調和的な人間性の教育」、「豊かな心身の育成」の3つの教育的な柱が強調されて地域化していることが明らかになった。次に、IB認定校における幼小接続の課題の検討と、小・中学校間の連携・接続に関する課題の検討を行った。その結果、幼稚園教育と小学校教育の特徴の違いから、カリキュラムをめぐる課題が析出されたと共に、PYPとMYPの一貫教育の視点からIBの教育環境の整備が進められるべきであるという課題が示された。さらに、PYP認定小学校に通う児童の保護者へも質問紙調査を実施した。これらのことから、IBは、日本の教育を改めて評価し改善していくための、ひとつの視点であることが提案された。
3: やや遅れている
本研究は、IBPYP教育の受容過程をを「カリキュラム形成」、「授業展開」、「教員研修」の3つの視点から調査、分析をする計画であったが、「授業展開」に関する検証・分析が十分に行われなかったため。
今年度は、保護者、及び児童本人へのインタビューや、授業観察には本研究では至っていない。そのため、多様な視点から調査を継続し、学校教育における支援方法の検討を重ねていく事が今後の課題である。
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国際バカロレア教育研究
巻: 6 ページ: 105-114
巻: 6 ページ: 71-82
巻: 6 ページ: 83-94
星槎大学大学院紀要
巻: 3(1) ページ: 61-66