研究課題/領域番号 |
21K20209
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0109:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
王 一瓊 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 特任助教(常勤) (70913523)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 外国籍教員 / 複合的アイデンティティ / 外国籍教員の葛藤 / 外国籍教員の教育実践 / 公立高校 / 異文化 / 日本の公立高校 |
研究開始時の研究の概要 |
グローバル化に伴う外国人児童生徒の急増は文部科学省においても重要課題の1つとなっている。しかし、その対応策は日本語教育に軸足があり、社会学領域で培われてきた外国人研究の知見が反映されているわけではない。そうした状況で大阪府の公立高校は外国籍教員を常勤講師として積極的に採用している。外国籍教員は日本の学校文化と外国人生徒の母文化の溝を埋める役割が期待されている。一方、彼らは生徒指導等といった公立学校の教員としての役割が与えられ、日本の学校方針と外国人生徒のニーズに挟まれている。そこで、本研究は日本の公立高校に勤務する外国籍教員を対象とし、参与観察とインタビューを通して複合的な役割を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究は、公立高校で働く外国人教員の複合的な役割を明らかにし、その複合性に起因する外国人教員の葛藤を解明することを目的とした。参与観察及び教員へのインタビュー調査を通じて、外国人教員は自らの複合的なアイデンティティを活用した教授法を実践し、より充実した授業を行うことがわかった。一方で、外国人教員は外国人生徒にとって感情的に近い存在となるため、日本人教員以上に「指導」や「支援」を求める傾向にある。それで生じたトラブルが、外国人同士の問題だと片付けられてしまい、外国人教員が一人で解決しないといけないことが多いのは現段階の課題である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、日本の教育現場におけるグローバル化に伴う外国籍教員の役割についての研究として重要だけではなく、日本の教育現場におけるマイノリティ教員の存在とその役割についても探究するための試金石となっている。また、外国籍教員の教育実践である「異文化の境界の往来」は、教育文化の多様性について根本的な問いかけを行なっている。
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