研究課題/領域番号 |
21K20217
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0109:教育学およびその関連分野
|
研究機関 | 東京福祉大学 |
研究代表者 |
黄 明淑 東京福祉大学, 留学生教育センター, 特任講師 (60846129)
|
研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 「誘い」談話 / 円滑なコミュニケーション / ミス・コミュニケーション / 誤解 / ロールプレイ / 接触場面 / 量的研究 / インターアクション / 談話分析 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、中国人日本語学習者と日本語母語話者、それぞれ35名を調査対象として、中日の接触場面におけるロールプレイ調査を実施する。JSL環境にいる中国人日本語学習者の接触場面における「誘い」談話の特徴について量的な方法で科学的に調べ、考察を深めることは、異文化間の円滑なコミュニケーションや異文化間理解の実現に資するのに大きな意義があると考える。
|
研究実績の概要 |
グローバル化が進み、多文化共生が進む中、文脈が異なる人同士の接触場面でのコミュニケーションは喫緊の課題となっている。本研究では、中国人日本語学習者と日本語母語話者同士の接触場面における「誘い」の談話を分析することを通して、ミス・コミュニケーションによる談話の構造を明らかにし、円滑なコミュニケーションを目指すことを研究目的とする。以上の研究目的を明らかにするため、本研究では、接触場面における談話に焦点を当て、日本語母語話者と中国人日本語学習者の相互行為を観察・記録し、異なる話者の会話参加者の間で会話がどのように成立されるのか、また、接触場面でのやりとりとはどのようなものかという点について実証的に明らかにすることを目指す。1.会話資料を収集しデータベース化する、2.言語行動や談話構造について分析し、モデル化する、3.蓄積された研究の知見を、教育心理学やコミュニケーション研究など、隣接・関連する分野の応用に貢献する。という3つの観点から計画を立てて研究を進めている。今年度は、本番の会話収集のためにZOOMにてパイロット調査を実施し、データを分析した。また、データ収集と並行して、既存の資料を用いて先行研究の整理・分析を行った。データ収集日本語-中国語接触場面におけるやりとりに焦点をあて、ペアによるロールプレイデータを収集した。研究手法は量的と質的による談話分析を用い、分析枠組みはBeebe, Takahashi, & Uliss-Weltz(1990)で提案している発話をコーディングする際の分析枠組みである、意味公式(Semantic formula)を採用した。接触場面において誘う側と誘われる側のインターアクションによるストラテジーのバリエーションと、学習者の語用論規則、談話のメカニズムについて示唆が得られた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和3年度は本研究の研究テーマと関連の深い先行研究の整理・確認と分析に適したデータ収集の検討、分析に必要なデータの収集方法の確認、分析方法の妥当性についての検討を行う計画であったがそれらはすべて実施できた。 1)2021年度は、予備調査としてJSL環境で日本語を学んでいる非母語話者同士の接触場面における「誘い」談話をZOOMにて実施したこと 2)2022年度は引き続きJSL環境における接触場面の会話データを収集する予定であること 調査結果は8月に開催予定の「東アジア日本語教育・日本文化研究会」と社会言語科学会で口頭発表を行う予定であること 3)調査結果は論文化し、2022年11月締め切りの学会誌に投稿予定であること
|
今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策 1)日本の高等教育機関に在籍しているノンネイティブスピーカー(国籍は中国に限定する)と、ネイティブスピーカーのペアによる接触場面を設定し、35名程度を対象に、ロールプレイを実施する予定である 2)調査結果をまとめ、関連する学会で発表する予定である 3)調査結果を論文化し、関連する学会誌に投稿する予定である
|