研究課題/領域番号 |
21K20226
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0109:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪医科薬科大学 |
研究代表者 |
奥村 智人 大阪医科薬科大学, 小児高次脳機能研究所, 特別職務担当教員(講師) (00538077)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 視覚情報処理 / 視覚的注意 / 眼球運動 / 発達性読み書き障害 / 限局性学習症 / 読み障害 / ディスレクシア / 発達性ディスレクシア / 学習障害 / 読みの発達 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者は、これまで視知覚、図形構成や目と手の協応の評価方法を開発した。しかし、日本人に使用できる視覚的注意の評価方法はなく、視覚情報処理と読みの発達の関連については明らかになっていない。そこで、本研究では①視覚的注意の評価方法を開発し、②学齢期の定型発達児における視覚的注意やその他の視覚情報処理能力と読みの発達の関連を明らかにする。 さらに、③ディスレクシアの読み障害と視覚情報処理能力の障害の関連を明らかにする。本研究成果は、特別支援教育および医学的リハビリテーションにおける、より効果的なSLDやディスレクシアの評価・訓練などの支援法開発への展開可能性がある。
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研究成果の概要 |
視覚的注意および眼球運動検査であるDEMと眼球運動測定装置Tobii Pro Spectrum、読み能力を測定する特異的発達障害診断・治療のための実践ガイドラインを使用し、小学4~6年生の日本人小児において視覚情報処理と読み能力との関連について検討を行った。定型発達児13例、発達性読み書き障害35例に検査を実施し、分析を行った。発達性読み書き障害児ではDEMにおける視覚情報処理への負荷が高いテストCの成績低下がみられ、Tobiiにおける眼球運動の特性として固視の時間が長かった。本結果は発達性読み書き障害児には視覚情報処理の障害がみられ、視覚情報処理能力が読みに影響する可能性を示唆した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、発達性読み書き障害児における視覚情報処理の障害や眼球運動の特性について詳細なデータが得られた。さらに分析結果により、日本語の発達性読み書き障害の発生機序に視覚情報処理が関係するという科学的理解が深まり、視覚情報処理の役割に関する新たな知見が得られたことは大きな学術的意義である。また、視覚情報処理や眼球運動の測定結果を活用することで、発達性読み書き障害の早期発見・早期支援や新たな支援法開発の手がかりとなる可能性があり、社会的意義を持つものである。
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