研究課題/領域番号 |
21K20227
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0109:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道武蔵女子短期大学 |
研究代表者 |
奴久妻 駿介 北海道武蔵女子短期大学, その他部局等, 講師 (50911187)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 多文化主義 / 外国人児童生徒 / 市民的ナショナリティ / リベラリズム / コミュニタリアニズム / 日本語教育 / 母語教育 / 不就学 / 日本語教室 |
研究開始時の研究の概要 |
日本国内に在住する外国人児童生徒の不就学の現状は、マスメディアを通して世間の耳目を集め、国や自治体レベルでもその事は広く認識されてきている。一方、外国人児童生徒との直接的なコンタクトが予想される地域内日本語教室の不就学者に対する認識の詳細な調査はほとんどされてはこなかった。特に各教室の支援が外国人児童生徒たちの進路にいかなる影響を与えたかを明らかにする事は、多文化主義の面からも重要なテーマである。そこで本研究は、不就学の外国人児童生徒を受け入れたことのある日本語教室への質問票及びインタビュー調査を実施する。本研究の成果を通して、日本の草の根からの多文化主義モデルを構築する事をねらいとしている。
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研究成果の概要 |
本研究の成果は以下の二点である。第一に、予備調査として、外国人児童生徒に関わる有識者会議の議事録を整理し、テキスト分析を行った。多文化主義の理論(「リベラルな形態の多文化主義」およびコミュニタリアニズム的思想)を援用しつつ、外国人児童生徒を取り巻く言語教育の位置づけを考察した。第二に、2022年に「日本国内の外国人児童生徒の社会構成的文化に関する一考察」というタイトルで、学会発表を行った。外国人集住都市会議のテキスト分析及び、不就学者と関わった経験のある関東圏の2教室と外国人散在地域の2教室のデータ整理を行った。各アクターの役割の違いを、多文化主義の理論(『「構成的」なきずな』)から考察した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで外国人児童生徒の教育研究と政治理論の多文化主義を結び付ける研究は少なかった。それは、これまで同領域が主に、ケーススタディや問題解決に焦点を当てており、多文化主義との接点が不足していたという背景がある。日本の外国人児童生徒の教育研究は海外のジャーナルには僅かしか掲載されておらず、グローバルな読者にその重要性が伝わりにくい、と認識される事もある。そのため、日本の研究と英語圏の理論との接点を築くことは重要である。また、多文化主義は国家レベルでの理解が求められるが、実際の運用は現場の人々に委ねられている。本研究では、現場の人々の視点から多文化主義を抽出することを通した、新たな発見があった。
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