研究課題/領域番号 |
21K20236
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0109:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 鳴門教育大学 |
研究代表者 |
日下 智志 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 講師 (00909591)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 内発的発展 / 算数・数学カリキュラム開発 / 教育借用 / ローカルナレッジ / 数学カリキュラム改訂 / モザンビーク |
研究開始時の研究の概要 |
多くの開発途上国が, SDGsゴール4で謳われている教育の質の向上に向け,カリキュラム改革に取り組んでいる。算数・数学教育では, 学習内容の普遍性を理由に世界の潮流をただ模倣する形でのカリキュラム改訂がなされる傾向があり,それらは総じてうまく機能していない。ここで鍵となるのが,教育の内発的発展である。本研究は,モザンビークを対象とし,カリキュラム開発及び実施段階において,教育の内発的発展につながる要素を抽出して分析する。そして,一連のカリキュラム改訂プロセスにおける教育の内発的発展を理論化することを試みる。
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研究実績の概要 |
多くの開発途上国が、 SDGsゴール4で謳われている教育の質の向上に向け、カリキュラム改革に取り組んでいる。しかしながら、特に算数・数学教育では、 学習内容の普遍性を理由に、自国の社会文化的状況を考慮せず、世界の潮流をただ模倣する改訂がなされ、それらが機能しないという状況が起こっている。本研究の目的は、開発途上国の算数・数学カリキュラム開発において、適切な内発的発展を促進するための鍵となる要素を抽出し、内発的発展のプロセスを理論化することである。 この研究課題に対し、初年度に引き続き、モザンビーク共和国を事例として研究を進めた。 前年度の調査で明らかにした各学校が独自で開発するローカルカリキュラムの事例、課題及び今後の可能性について執筆した論文「モザンビークの初等数学科におけるローカルカリキュラムの課題と可能性 ―M-GTAを援用したカリキュラム担当者および教員へのインタビューデータの分析から―」が、国際開発研究第31巻第1号に掲載された。また、モザンビークの初等教育のカリキュラム改訂過程における内発性について執筆した論文「Transition of Mozambique’s Primary Mathematics Intended Curriculum in the Post-Colonial Period: A Focus on Adaptation from an Exogenous Curriculum」が、Africa Education Review(in press)に掲載された。 また、モザンビークの2021年の初等数学カリキュラム改訂過程において、カリキュラム開発の適切な内発的発展を促進させるための鍵となる要素についての分析を、日本比較教育学会 第58回大会で発表した。 さらに、アフリカの他の国との比較分析という視点から、隣国のルワンダでも同様の調査を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上述したように本年度は、昨年度の調査から得た結果について、学会発表および論文執筆を進めた。各学校が独自で開発するローカルカリキュラムの事例、課題及び今後の可能性について執筆した論文が、国際開発研究第31巻第1号に掲載された。また、モザンビークの初等教育のカリキュラム改訂過程における内発性について執筆した論文が、Africa Education Review(in press)に掲載された。 現在、カリキュラム開発の適切な内発的発展を促進する要素に関する考察結果を論文としてまとめている。このことからも本科研の現在までの達成度としては「おおむね順調に進展している」と判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、これまでの研究結果を総合的に考察し、数学カリキュラム開発の内発的発展に関する国内外研究者との議論を継続して続けながら、国際学会での発表を行う予定である。
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