研究課題/領域番号 |
21K20249
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0109:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
野瀬 由季子 関西学院大学, ライティングセンター, 助教 (50908043)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 日本語教育機関 / 日本語教師 / 教師研修 / 授業観察 / 同僚性 / 授業デザイン / ファシリテーター |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、日本語教育機関における専任日本語教師―非常勤日本語教師間の同僚性形成に着目して、授業観察を用いた教師研修プログラムを構築することによって、日本語教師の能力開発を図ることを目的とする。そのために、まず、授業観察を用いた教師研修プログラムの実施と効果検証によって、「能力開発を促進する同僚性の特徴」と「教師間の同僚性の形成過程」の解明を試みる。次に、授業観察を用いた教師研修プログラムを組織的・継続的に実施できるよう、研修の実施に必要な要件をまとめたガイドブックを作成する。本研究によって教師研修のデザインに関する知見が得られ、日本語教育機関全体の教育の質が保証されていくことが期待される。
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研究実績の概要 |
2022年度は、当初予定していた、(1)ファシリテーター研修を含む教師研修の実施と、(2)ファシリテーター研修を含む教師研修の評価に関する調査研究、(3)日本語教育機関向けの教師研修ガイドブックの作成、の3つのうち、(1)と(2)を実施することができた。 (1)のファシリテーター研修を含む教師研修は、2022年9月から12月に実施した。教師研修は1名のファシリテーター(専任日本語教師)と3名の授業/観察者(いずれも非常勤日本語教師)で実施した。 (2)に関しては、3名の授業/観察者が記入した事前質問紙調査、リフレクションシート、授業教案、他者の授業観察時に記入する参観記録、事前/事後検討会の談話データを収集した。また、上記の研修実施後に事後質問紙調査も実施した。このうち、事後質問紙調査ではファシリテーターの介入に対する評価について尋ねた。その結果、実施した教師研修への満足度は高く、ファシリテーターの介入も肯定的に評価されていることが明らかになった。 また、ファシリテーターを担った専任日本語教師に対するインタビュー調査は2022年12月に実施した。インタビュー調査では、専任日本語教師がファシリテーターを実施する際に感じる葛藤やファシリテーター観の形成過程についての語りがあった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
3つの状況の変化により、研究計画の変更や遅れがあった。 1点目に、新型コロナウイルス感染症の蔓延による調査協力機関での調査の延期と、感染症対策に伴って生じる調査協力者の本務の多忙化などによる実施規模の調整があった。当初は3つのグループ編成で教師研修を実施する予定であったが、1つのグループ編成での実施に変更となった。 2点目に、調査協力者の都合によって研修への参加が不可能になった。この点は、上記のグループ編成の縮小にも関連する。 3点目に、当初発表を予定していた国際学会が学会側の都合により中止となったことで、研究結果の発表が不可能となった。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、(1)3名の授業/観察者の日本語教師へのインタビュー調査の実施、(2)ファシリテーターのインタビュー調査の分析の精緻化とこの分析結果に関する研究発表、(3)教師研修ガイドブックの作成、の3点に取り組む。 (1)については、インタビュー調査を実施し、授業/観察者側からファシリテーターのどのような介入が評価されていたのかをより詳細に明らかにすることを目指している。 (2)については、現在進めているインタビューの逐語録の分析を進め、日本語教育学会での発表または論文投稿をおこなう予定である。 (3)については、調査協力機関からもヒアリング調査をおこないながら、ガイドブックに掲載する情報の整理をおこなう予定である。
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