研究課題/領域番号 |
21K20260
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0109:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 筑波技術大学 |
研究代表者 |
渡部 杏菜 筑波技術大学, 障害者高等教育研究支援センター, 助教 (30910905)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 聴覚障害 / 音韻意識 / キュードスピーチ / 指文字 / かな文字 / 日本語の読み書き / 読み書き習得 / 聴覚活用 / 文字活用 |
研究開始時の研究の概要 |
聴覚障害児には聴児同様に音イメージにより音韻意識を形成する者と文字イメージにより音韻意識を形成する者がいるが、両者を分ける背景要因は十分に検討されていない。本研究では聴覚障害児の音韻意識の形成の仕方と文字の習得状況を明らかにするとともに、背景要因として教育歴や家庭でのコミュニケーション手段、聴力レベル、作業記憶、視覚認知能力を仮定し関連性を検討する。そして、1年後に文の読み書き課題を行い、音韻意識の形成の仕方が読み書きの習得に与える影響を明らかにする。
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研究成果の概要 |
聴覚障害児における音韻意識(言葉を構成する音への意識)の形成と日本語の読み書きの習得との関連性を検討することを目的とした。聴覚障害幼児に対して、音韻意識形成及び文字習得状況を調査した結果、キュー(母音の口形と子音の手指動作で日本語音を表す)を使用している聴覚障害幼児において、キューの習得や記憶が音韻意識形成に影響を与える可能性を示した。 また、対象児が小学1年の時に1枚の絵から作文を書かせ、文の表出と音韻意識形成との関連性を検討した。その結果、音韻意識形成が良好である者でも語句の表記や文法表現に誤りはほとんどないが、内容豊かな文を書くことは容易ではないことが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は読み書きの基礎となる音韻意識について、コミュニケーション手段別に調査をした。そして、キュードスピーチ併用下の聴覚障害児において、キューの習得や記憶が音韻意識形成に影響を与える可能性を示した。また、音韻意識形成が良好である者でも語句の表記や文法表現に誤りはほとんどないが、内容豊かな文を書くことは容易ではないことを示した。コミュニケーション手段別に音韻意識に影響を与える要因やその後の読み書きへの影響を明らかにしたことで実態に応じた読み書き指導開発に寄与したと考える。
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