研究課題/領域番号 |
21K20264
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0109:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
森本 和寿 大阪教育大学, 教育学部, 講師 (70909837)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ライティング教育 / カリキュラム研究 / 表現主義 / 自己表現 / ライティング評価 / アメリカ合衆国 / アカデミック・ライティング / 表現 / 書くことを通じた人間形成 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、米国における表現的なライティング教育について検討する。従来の日米ライティング教育の比較研究では、「感情作文中心の日本と論理的なライティング中心の米国」という戯画的な二項対立で語られることが中心的な言説であった。申請者の研究は、国内外の先行研究に基づきながら、(1) 日本という外の立場から米国ライティング教育を対象化して検討することで、米国のライティング教育の中にあって米国人が見落としているものを看取すること、(2) 日米のライティング教育をつぶさに比較検討することで、大学初年次における新しいライティングのカリキュラム、授業、評価のあり方を提示することを目指す点で独自性をもつ。
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研究成果の概要 |
本研究では、アメリカ合衆国(米国)の自己表現を重視するライティング教育(表現主義)がどのような理論と実践を展開したのかを検討し、日本のライティング教育への示唆を明らかにした。近年、ルーブリックを用いた評価に注目が集まっているが、本来の「真正の評価」論の趣旨とは異なる形でルーブリックだけが一人歩きした「ルーブリック評価」が広まっている。ルーブリックやレポートの「型」に従順に書くことに焦点が合わせられ、アカデミック・ライティングにおいて育成が目指されているスキルや思考力等が妨げられている。米国での議論を手がかりとして、表現を起点としたライティングにおける指導的評価の可能性を考察した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来の研究は、米国リテラシー教育の「論理的」「学術的」とされる指導の側面に焦点を合わせてきたことが特徴として挙げられるが、これに対して本研究は、表現的、個人的な文章指導の側面に光を当てるという点に独自性をもつ。さらに、米国の表現的なライティングを検討するにあたり、教育方法学において蓄積された知見を参照しながら、具体的な教材や授業、教室内のダイナミズムまでを射程とする実践的な観点からの分析を行う点も、本研究の独自性である。日米ライティング教育を比較検討することで、現代における新しいカリキュラム、授業、評価方法を具体的に構想・提起することまでを射程とする点が、本研究がもつ学術的・社会的意義である。
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